タルホ作品に登場する人名のうち、キーワード概念による人物、あるいは引用文のある人物を取り上げたもの。上記の分類中に編入させた人物もありますが、参考までにリスト化を。
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■DQWの三角形
──私はデ・クィンジイの「オピァムイーター」と、ウェーデキントの「春の目ざめ」を、世界文学の中で最も愛する。(『神・現代・救い』)
このように言い切るタルホですが、ド・クインシー(Thomas de Quincey)とウェーデキント(Frank Wedekind)、これにおそらく ダンセーニ(Lord Dunsany)を加えれば、それだけで「タルホ偏愛文学三角形」は完成するのかもしれません。
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ウェーデキント 『春の目覚め(野上白川・訳、野上豊一郎・訳)』
ダンセーニ “Fifty-one tales”『イフ』『二壜のソース(The Two bottles of Relisk)』『山の神々』『失われた絹帽』『世界のふち』『不幸な、遥かな者共(Unhappy far-off things)』『きらめく 門』『夢と戦争(Dream and Battle)』『時間と神々』『He comes fromNo-where』『Tale of three hemispheres』
ド・クインシー 『Suspiria』『Walking Stewart』『オピアムイーター(英国阿片 吸飲者の告白:辻潤・訳)』
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■タルホ文学館
――私が、芳水詩集に気をひかれても立川文庫には眼もくれなかったのは、ひとえにこの若い婦人の薫陶によるものである。(『東京遁走曲』)
奇妙に思われるかもしれませんが、「文学」というキーワードはありません。他のキーワードの中に解消してしまっているのでしょうか。否、イナガキ・タルホの「文学」は、これら全キーワードの上に成り立っていると考えるほうが妥当でしょう。
それはさておき、ここではタルホ作品中に登場する主な作家たちを挙げます。なお、これらの中からタルホ好みの文学という意味で、他の作家の作品を集めた『タルホ文学館』を考えることもできるので、作品データもいくつか付してみました。
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芥川龍之介 『好色』『玄鶴山房』『芭蕉論』『魔術』
アポリネール 『オノレ・ド・シブラック』『神罰三話』『オブジェ伝記』
有本芳水 『芳水詩集』
アンデルセン 『マッチ売りの少女』『遺稿』
井原西鶴 『本朝若風俗』『好色五人女』『好色一代男』『男色大鑑』
井伏鱒二 『御用控帳』
イプセン
巌谷小波 『平太郎化物日記』
ヴァレリー 『海辺の墓地』『ナルシス断章』
ヴィヨン
江戸川乱歩 『美少年論(東西同性色情史:雅俗文庫版)』『旅順会戦館』『押絵と旅する男』『探偵小説40年』『パノラマ島奇譚』『黄金仮 面』
太田垣蓮月
カフカ
ギッシング 『ヘンリー・ライクロフトの手記』
キップリング 『They』
クーゼンベルク(クルト・) 『壜』
グレゴリー夫人 『月の出』
ゲーテ 『ファウスト(鴎外・訳)』『エッカーマンとの対話』『若きウェルテルの悩み』『魔王』
コリア(ジョン・) 『ビールジニーなんかいるものか!』
ゴールズワージー
佐藤春夫
サン=テグジュペリ
シェークスピア 『ハムレット』『テンペスト』『真夏の夜の夢(坪内逍遥・訳)』
ジェームズ(ヘンリー・) 『ねじの回転』
ジッド(アンドレ・) 『コリドン』『贋金つくりの日記』
シャトーブリアン
シュニッツラー(アーサー・)
ジュネ(ジャン・) 『泥棒日記』
ジョイス(ジェームズ) 『ユリシーズ(伊藤、永松・訳)』
シラー
スタール夫人
スターン(ローレンス・) 『トリストラム・シャンディー』
スタンダール
スティーヴンスン
チエホフ
堤中納言
ツルゲーネフ 『初恋』
テニソン 『In Memoriam』『The two voices』『ロックスリーホール』
デュカス(イジドール・)(ロートレアモン)『マルドロールの歌』
ドイル(コナン・)
ドーデー
ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『白痴』『作家の日記』
西脇順三郎
ノヴァーリス 『青い花』
ハウプトマン 『希臘紀行』
ハーディ(トマス・)『テス』
バートン卿 『英訳千夜一夜のターミナルエッセイ』
ヒュネカァ 『月光発狂者(辻潤・訳)』
ブランデス 『独逸浪漫派(吹田順助・訳)』
プルースト
ブルトン 『通底器』
ブロッホ(ヘルマン・)
フローベル
ヘッベル 『アレマニックスを謳った詩』
ヘルダーリン
ポオ 『ポオ全集』『ユリーカ』『沈黙』『タール博士とフェザー教授の治療法』『赤死病の仮面』『壜中の手記』『家具の哲理』『影』『メロンタ・タウタ』『ハンス・プァールという男の冒険』『アッシャー館の崩壊』『黄金虫』『ランドア屋敷』
ボードレール 『ボードレール感想私録(第一書房)』『人工楽園』『悪の華』 『巴里の憂鬱』
ホフマン 『黄金の壷』
ホフマンスタール
マン(トーマス・) 『トニオ・クレエゲル』『ヴェニスに死す』
三津木春影
ムーア(ジョージ・)
メーテルリンク 『青い鳥(若月紫蘭・訳)』『タンタジールの死』
メレジュコフスキー
モーパッサン 『仇花』
モーム(サマセット・)
モーラン(ポール・)
モリエール 『人間嫌い』
ユイスマン 『さかしまに』『底』『彼方』
与謝蕪村 『澱河歌』『新花つみ』『蕪村句集(潁原博士・編)』『怪物図譜』
吉田兼好 『徒然草』
ラフォルグ
ランボー
リイラダン
リルケ 『倖はふ乙女の話』『ドウィノの悲歌についての書簡』
ロラン(ロマン・) 『ジャン・クリストフ』
ワイルド(オスカー・) 『我儘な巨人』『レディング獄舎の歌』
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■タルホ人名辞典
──いったい私は、ベルグソンを読みたいためにフランス語を習おうとしたので……自分の場合は「一千一秒物語」の片隅に残っている二、三の片言が名残りになっている。(『カフェの開く途端に月が昇った』)
タルホに影響を与えた人物はもちろん文学者に限りません。未来派との関連で出会ったベルグソンをはじめとして、引用回数の多い思想家には、ハイデッガー、カント、ショーペンハウエル、ニーチェ、ヒルティー、フェヒナー、ベッカー、ホワイトヘッドなどが挙げられます。分野を問わずひとまず人名のみを挙げておきます。
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アウグスティヌス
アリストテレス
アリストファネス
アルプ(ハンス・)
アントニウス
ヴィトゲンシュタイン
ウェーバー(マックス・)
エマーソン
エルンスト(マックス・)
掛谷宗一
カザリアン(エドウァルト・)
カータ氏
カーペンター(エドワード・)
カント
キェルケゴール
ギュイヨン夫人
ケーベル博士
コクトー(ジャン・)
ゴッホ
ゴヤ
サド
シェリング
ジャコブ(マックス・)
シュペングラー
ショーペンハウエル
スウヰ夫人
スウェーデンボルグ
スピノザ
スプランゲル
セラピオン
ソクラテス
ゾルゲル
ソレル(ジョルジュ・)
ソロヴィーヌ(M・)
ダ・ヴィンチ
ダリ
ダンテ
ツァラ(トリスタン・)
デュシャン(マルセル・)
トインビー
道元
トマス=アクヰナス
中川四明
ナンセン博士
ニーチェ
ニューマン(J・H・)
ハイデッガー
パウロ
バークレイ
パスカル
パブロフ
ハマートン(ギルバート・)
ハルトマン(エドワルド・フォン・)
ビュカナン先生
ヒルティー(カール・)
ファーブル
フェヒナー
プラトン
プロティノス
ヘーゲル
ベッカー(オスカー・)
ペテロ
ヘラクレイトス
ベルグソン
ホイスラー
ホワイトヘッド
マルクス
マン=レー
ミンコフスキー(ユージェーンヌ・)
ムーア(G・エドワード)
モーゼ
モリス(チャールズ・)博士
モンゲンシュテルン
ヤスパース(カール・)
ライプニッツ
ラッセル(バートランド・)
ルカーチ(G・V・)
老子
ローソン
ロダン
ロッヂ(オリヴァ・)
ワット