■年 譜
──マックス・プランクが、「近世」を絶縁する量子定数「ｈ」を発表した同じ年の、同じ十二月の終りに、私は大阪市船場に生れた。（『随筆ヰタ・マキニカリス』）
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キーワードが空間的アプローチであるとすれば、当然、時系列からのアプローチも必要となってきます。しかしながら、私たちはいまだイナガキ・タルホの「詳細な年譜」をもっていません。作品中の年譜的記述にはもちろん多くの異同が認められ、それらを批判的に判断していかなければ「年譜」は成立しません。「作品年譜」同様、現在いちばん求められているのは、こうした基礎的研究ではないでしょうか。