タルホのイタリア未来派追跡は十代に始まっています。海の彼方のこの芸術運動は、飛行機以外なかった彼をして初めて芸術の世界に目覚めさせるものとなりました。その証拠に、タルホは小説家としてよりも先に画家としてデビューしました。その後、画家としてのキャ リアは積まなかったものの、イラスト、装丁などにその痕跡を残しています。また、晩年になって、自身のピクチュア展のために小品を描いています。ここでは、タルホ版未来派芸術の検証と、併せてタルホ・ピクチュアを総ざらえしてみたい。
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■未来派画家宣言
──私にとって、イタリアの未来派以前のものはすべて無縁である。(『タルホ=コスモロジー』)
ボッチョーニの「物質的先験論」は、美学上の問題のみならず、タルホの物質・存在論の上に大きな影響を及ぼしています。ここでは未来派理論の検討、およびタルホの受容経緯とその影響の跡を追ってみたい。
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自動車のハンドル
物質的先験論
未来
未来人の動かし得ない逆説
未来派
立体万華鏡
リラの酒場
BACK
■フューチュリスト
──私はずっと前に、ボッチョーニの本の終りに付いている沢山な複製版の中から、カルラの「バルコニーに座す女」を選んで、小型の水彩画 にして無署名で、元町三丁目の文華堂の窓に出したことがある。(『カフェの開く途端に月が昇った』)
代表的未来派画家たちのプロフィールと作品。とくにタルホによって取り上げ られた作品はすべて検討してみたい。併せて、未来派以外についても、タルホ好みの画家・作品を参考に取り上げたい。
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『女帽子店の象形文字』
カルドーサ夫人(の絵)
カルラ(カルロ・デ・)
キリコ(ジュルジュ・デ・)
クビーン(アルフレート・)
クレー(パウル・)
『剣橋のケイブルカレーヂとかにある有名な壁画』
構成派
サンポワン夫人(閨秀詩人)
セヴェリーニ(ジノ・)
『セーヌ河潜航艇』(マリー・ローランサン)
ダダイズム
ダルゲー(ジャン・)
東郷青児
ピカビア(フランシス・)
ボッチョーニ(ウンベルト・)
マリネッティ
立体派(キュービズム)
リュッソロ(ルイジ・)
ロセッティ
A感覚三羽烏(高畠華宵、伊藤彦造、樺島勝一)
BACK
■タルホ・ピクチュア展
──本当はダリ画伯のやり方に倣って、空気銃のタマで窓ガラスを射って、これを写真に撮り印画に加筆着色すべきであった。(『タルホ・ファンタジー自註)』
文学作品同様、タルホが描いた絵にもヴァリエーションがあります。カット、マーク、スタンプ まで含めて、タルホ自註とともに、そのすべてを整理してみたい。
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◆タルホ・ピクチュア展出品作(自註)
『タルホと月』
『星の勝利』(var.1)
『ソーセージと麺麭』
『月の散文詩』(var.1)
『誘われ行きし夜』
『ヒバリの世界』
『「不可能」への出発』
『バワリアの早春』(var.1)
『イッシー=レー=ムリノーの遠望』
『王と王妃』(var.1)
◆『第三半球物語』より
『A NIGHT AT A BAR』
『SUTARN AND AUTOMOBILE』
『ROADMAN'S ADVENTURE』
『MYSTERY OF ASCENT』
◆「僕の五分間劇場」舞台図
『泥棒とコイン』(var.1:「文藝公論」)(var.2:『天体嗜好症』)
『無何有から来た人』(var.1)(var.2)
『月と紳士』(var.1)(var.2)
『土星と子供』(var.1)(var.2)
◆その他の作品
『明方の誘惑』
『恵心院』
『『一千一秒物語』の思い出』
『王と王妃』(var.2)
『貝殻状宇宙』(『カルト・ブランシュ』表紙)
『キコクの実とイソギンチャク』
『吸引と反撥』
『虚無主義者の見たる都会の夜』
『新婚旅行』
『彗星問答』
『タルホと月』(『一千一秒物語』表紙)
『月の散文詩』(var.2)
『月の出』
『月の出前事件』挿絵
『取られて行きし山々を』
『人間の水は南、星は北にたんだくの』
『バワリアの早春』(var.2)
『星の勝利』(var.2)
『星の勝利』(var.3:スケッチブック)
『メリエス=フィルムの思い出』
『酔払い』
◆マーク
『一千一秒物語』の三日月とシルクハットの紳士
◆サイン
三日月と流星
Yours Ever
ガス灯
◆スタンプ
イソギンチャク(var.1)
イソギンチャク(var.2)
三日月と飛行機
◆ハガキ絵
◆その他のキーワード
『月の散文詩』
『空中世界』
『カイネ博士により語られしもの』
虚無主義者の見たる夜の都会
トリッピズム(石野考案)
箪笥の抽斗の木目
『月の出』(海から昇る月)
『GGPG』