★ ラ リ ー ・ シ ー モ ン の 22 本 の 作 品
R. E. Braff が作成したフィルモグラフィの本数からすれば、ほんの一部にすぎませんが、それでも100年前のラリーの映画をDVDで観ることができます。サイト上で入手法はいくつかあるようですが、Grapevine Video(米・アリゾナ州フェニックス)は、ラリーの映画をある程度揃えています。このコレクションは、初期の作品から最後の作品となったA Simple Sap まで一通り揃っていますので、ラリーの映画を概観するには好都合です。その中には、タルホが言及している作品のうち、Her Boy Friend, Wizard of Oz,The Perfect Clown の3本が含まれています。
【補遺1】 筆者は昔、ビデオで6巻購入しましたが、現在はDVDで販売しているようです。ただ、DVD版は2巻にまとめられており、残念ながら収録作品も以前より少ないようです。1巻あたり $15前後。
【補遺2】 ここに挙げた22本の作品は、今ではすべてYouTubeで観ることができるようになっています。作品ごとにリンクを張ってありますので、クリックすればすぐに観ることができます。なお、〈あらすじ〉はネタバレ≠ノなっていますのでご注意ください。
ここにGrapevine Videoがコレクションした22本の作品を年代順に並べ、その概要を記します。出演者等のデータはR. E. Braffのフィルモグラフィをご参照ください。
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Risks and Roughnecks(1917年)
あらすじ
Bathing Beauties and Big Boobs (1918年)
あらすじ
Dunces and Dangers (1918年)
あらすじ
Frauds and Frenzies (1918年)
あらすじ
Well, I'll Be (1919年)
あらすじ
The Grocery Clerk(1920年)
あらすじ
School Days (1920年)
あらすじ
The Sports Man (1920年)
あらすじ
The Sawmill (1921年)
あらすじ
The Bakery (1921年)
あらすじ
The Bell Hop (1921年)
あらすじ
The Show (1922年)
あらすじ
Golf (1922年)
あらすじ
The Sleuth (1922年)
あらすじ
Her Boy Friend (1924年)
あらすじ
Kid Speed(1924年)
あらすじ
The Dome Doctor (1925年)
あらすじ
The Cloudhopper (1925年)
あらすじ
Wizard of Oz (1925年)
あらすじ
The Perfect Clown (1925年)
あらすじ
The Stunt Man (1927年)
あらすじ
A Simple Sap (1928年)
あらすじ
※School Days, The Sports Man,The Sawmill, Golfの4作品については、Grapevine Video のヴィデオ・ケースにクレジットされた作品年が、Braff のフィルモグラフィのものと異なっています。Katchmerの記事なども参考にして、一応上記のようにしておきました。なお、タイトルの Dunces and Dangers が、ヴィデオでは Deuces and Dangers となっているのは誤り。
※タイトル横の[巻数]は、フィルムの長さを表す巻数(reel) [Braff のリストより]。
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■ Risks and Roughnecks (1917年)[1巻]
ラリーが彼女とベンチで話をしていると、突然、通りがかった車に彼女が連れ去られる。車は悪党一味のアジトへ。ラリーも彼らを追いかけてアジトへ。
ラリー、悪党らと一緒にテーブルについてスパゲッティを食べることになる。ラリーはフォークの先でスパゲッティをぐるぐる回し、口の中へ上手に放り込む(じつはフィルムの逆回転)。それを見た悪党ども、度肝を抜かれる。
悪党らと格闘が始まる。ダイナマイトを仕掛けられたり、大きな石の下敷きになりそうになったりするが、ラリーは危機一髪で難を逃れる。最後は、ラリーのやっつけた悪党が一人ずつ、すごいスピードでアクロバットのように回転しながら道路を転がっていく。終点は刑務所の檻の中だった。
助かった彼女とラリーが手を取り合って、The End。
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■ Bathing Bauties and Big Boobs (1918年)[1巻]
砂浜からニョッキと伸びたペリスコープ。海辺で遊ぶ女たちをキョロキョロ見回している。砂の中から出てきたのはラリー。
パラソルの陰に隠れた一人の女を追っていくラリー。傘から出た靴を見ながらちょっかいを出している。いざ、傘をどけてみると、彼女の連れの黒人女だった! そこに大きなザリガニが這い出てきて、大騒動。ラリー、テントの中に隠れた彼女を再び追いかける。影絵になった足。外からいたずらしていると、出てきたのは彼女の父親だった!
海に逃げたラリーの尻に魚が食いついた。やっと振りほどくと、魚の口から水が勢いよく飛び出してきて、ラリーの顔へジョーッ!。
彼女のバッグを狙う盗っ人とラリーたちとの格闘。船を使った追跡劇。ついに彼女は高いヤグラのてっぺんに追いつめられた。躊躇することなく彼女は、はるか下の海へダイビング! ラリーは大きなクレーンの先につかまって、海に落ちた彼女を救助。しかし、手柄をもう一人の太っちょ男(Frank Alexander1)に横取りされ、The End。
UP
■ Dunces and Dangers (1918年)[1巻]
貧乏なボードビリアン夫婦。食べる物がないが、夫のラリーが食事の支度をしている。金魚鉢の中の金魚がジャンプして皿の上へ。次は口の中へ(これらも逆回転トリック)。妻にたしなめられるラリー、今度は皿を食べ始める。
借金取りが請求書を持って大勢押し掛けてくる。彼らを追い返して、夫婦は窓から部屋を脱出。ビルの塀をよじ登って、高いビルの屋上へ。そこでハラハラドキドキの追いかけごっこが展開される。ラリーの撃ったピストルの弾が軌跡を残して飛んでいき、尻に命中してパチンとはじける(アニメ)。
屋上の縁でシーソーになっていたハシゴがひっくり返る。あわや転落か!と思った途端、夫婦はビルの窓から元の部屋へ無事着地。
UP
■ Frauds and Frenzies (1918年)[2巻]
スタン・ローレル2との共演。2人は他の囚人たちと同じく縞柄の囚人服を着せられて、ツルハシとシャベルで強制労働の身。前半は2人のギャグに終始。
脱走して2人は街に出る。古着屋でテール・コート(?)風の上下を仕入れた2人。スタンはパナマ帽、ラリーはボウラー・ハット(山高帽)姿。ラリーのズボンはダブダブで、丈が極端に短い。2人は街で見かけた女を追いかける。店から出てきた彼女がベンチに座った。日傘越しに言い寄るラリー。日傘を取ると別の黒人女だった! じつは彼女、刑務所長の娘だった。ここでも追われる身の2人。
両脇に立っている警官を、ラリーは向こうへ行ったり引き返したりしながら撒いてしまう。自動車より速く走って追い抜いてしまう。電柱に駆け登ったり、ワイアを伝って滑り降りたり、クレーンに吊り上げられたり、といったスピーディーな動き。走る自動車を追いかけて、ようやくそれに乗り込んでホッとしたラリー。隣を見ると、そこには刑務所長と、先に捕まった相棒が……。
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■Well, I'll Be (1919年)[2巻]
このコレクションの中で唯一の西部劇。酒場では早くも乱闘騒ぎ。それを始末するコワモテの保安官(?)。
悪党の一団が馬で駆けつけてきて、酒場に乱入。向かいの建物に"SHERIFF"の看板。それを見た悪党はダイナマイトで建物を爆破。吹っ飛んだガレキの中からラリー保安官がお目覚め。
しばらくして一味が引き返してきて、酒場でカードを始める。ラリーも加わる。ラリーは肘にガムをくっつけて密かにカードを取ったりとセコイことをするが、結局お金を全部すってしまう。
ラリーは再びカードに加わることになるが、悪党とコワモテは長靴の中にカードを隠すというイカサマ手口。ところが、酒場にいた一匹のイヌが、テーブル下で長靴からカードを抜いてそっとラリーへ。ラリーの手はエースの4カードとなり、逆転独り勝ち。ところがこのワンちゃん、悪党たちの目の前で、落ちたカードを拾って来てまたラリーに渡してしまった……。
ここからは大騒ぎ。2階に逃げて樽の中に隠れていると、その上で悪党とコワモテがカードの続きをやり始めた。樽の中のラリー、板の隙間から札束をどんどん抜き取ってしまう。疑心暗鬼の樽の外の2人。撃ち合いが始まる。結局、三つ巴の乱闘。頭を殴られたコワモテの頭から、アニメの星がチラチラチラ……。
場所を外に移して、ラリーと悪党の崖上の格闘。ラリー、馬上から酒場の女を拾ってカッコよく逃走するも、落馬して坂を転げ落ちてしまう。
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■The Grocery Clerk (1920年)[2巻]
ラリー、自動車のハンドルに両足を乗せて運転。出勤途中に数人の女たちを同乗させるが、車は溝にはまってガッタン! 全員、車から派手に転げ落ちる。女たちは通りかかったパナマ帽の男の車に。ラリーは1人だけ残った店の同僚の彼女(LucilleCarlisle3)と再び車に。
ラリーは食料雑貨店の主任。お客がハエ取り紙を買いに来る。ラリー、紙を剥がして客に見せる。横に置いたハエ取り紙に、店の隅で盗み食いをしていた爺さんの手がくっつく。困った爺さん、やっとこさ剥がして放り投げた紙の上に今度はネコが……。身動きできなくなったネコの足の周りの紙を円く切り取ってやるラリー。なんとか歩けるようになったものの、ネコは痙攣したように足をプルプル震わせながら歩く。棚の上に登ったネコがビンを倒す。ここから連鎖的に大騒動。ビンの中の黒い液体がドローリと下にいたオヤジの頭に。頭にビンが落ちる。店の主人はオヤジを外に放り投げる。2階から樽ごと人が落っこちて、黒人が粉だらけ。外れたストーブの煙突をラリーが扇風機の前に持っていったから、みんな真っ黒。今度は小麦粉に突っ込んで、全員真っ白。チーズの穴にネズミが。それを見たネコがまた大騒動……。
缶を提げてガソリンを買いに来たオジサン。ガソリンを入れてもらっている間に、ラリーにパイプの火を所望。このあたりから不吉な予感が。オジサン、いっぱいになったガソリン缶を提げて自動車のところへ。見ると缶に穴があいていて、ガソリンがドボトボ……。ついでに自分もタバコを吸ったラリー、マッチの燃えかすをポイッと地面に……。液体の帯が導火線となって、地を這う炎。あれよあれよと思う間もなく、オジサンは車もろとも大爆発! ボロボロになって呆然と立ち尽くすオジサン。
彼女は店内にある郵便局で仕事。そこの金を狙って泥棒が侵入。なんと今朝方のパナマ帽男。ラリー、警官たちと3輪トラックで追いかけるも、坂道を転げ落ちる。火の見ヤグラような高い塔の上に逃げる泥棒。ラリーは倉庫からダイナマイトを持ってきて、ヤグラの足元に仕掛ける。慌てふためくヤグラ上の泥棒。しかし敵もさる者。ロープを投げ縄にして、地上のラリーに巻きつけたと見るや、自身はヤグラからジャンプ。滑車のように、今度はラリーがヤグラの上になって、形勢大逆転。ダイナマイトは爆発寸前。危うしラリー! ロープを隣のヤグラに引っかけたラリー。その途端、足元のヤグラが大爆発。ラリー、空中ブランコで間一髪の脱出。ところが飛び移ったヤグラにもダイナマイト。息つく間もなく再び空中ブランコ。飛び降りたところが迎えに来た彼女の車の上だった。
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■School Days (1920年)[2巻]
生徒になったラリー。席に座って丸眼鏡を念入りに磨いている。どうやらきれいになったと思ったら、眼鏡にハンカチを通してしまった。素通しだったというギャグ。
強烈な人相をした女教師(Grocery Glerk にも出ていた)。ラリーは巧みに先生の似顔絵を描いて(ラリーの直筆?)、PUNKと書くが、すぐに見つかってしまう。睨みつけられて小さくなったラリー、PUNKの後にTUALと付け足す。
悪童どもの騒ぎのなかで、太っちょ(F. Alexander)が殴られて壁を突き破って外の水たまりへバシャン。小さなワニが出てきて、口から泥水を放水して太っちょの顔へ。蹴っ飛ばしたワニがラリーの尻へ。インクが倒れて椅子の上に。校長が座ってベッタリ。ワニが教師の足に噛みつく……といったドタバタ。悪童の一人が、ペン先を幾つも折って椅子の上へ。授業参観に来た教育委員会の面々がその上に座ってイタタタ……。
時は移って10年後。好きだった女の子(L. Carlisle)の父親が、あの女教師と夫婦になっていた。ラリーと太っちょは雇われて雑用係をしている。木陰で昼寝をしていると、木の上からラリーの顔へタマゴがベシャッ。ニワトリはまたポトリ。今度はうまくキャッチしてズボンの後ろポケットへ。またポトリ。それもポケットへ。また……。それを見ていたオヤジさん。ラリーの尻を蹴っ飛ばす。ラリー、気持ち悪そうに足をブルブル震わせながら歩き回る。しばらくしてズボンを揺すると、裾からヒヨコがポロリ、ポロリ。
2階の納屋にハシゴを掛けて仕事をしているオヤジさん。ラリーがその下でウマに藁をやっている。ウマの首がハシゴの中に。藁を追ってウマがだんだん前へ。ハシゴが倒れて、上のオヤジさんはハシゴもろとも水たまりへバッシャーン! 彼女とブランコ遊びのラリー。ブランコに尻を蹴飛ばされて、納屋にいたウマの尻に頭からゴツン! ウマは板塀に鼻面をドシン! ウマの目からアニメの星がチラチラチラ……。ウマは怒って後ろ足でポーン!
結局、彼女はほかの男と結婚。ラリーと太っちょは2人して式場へ乗り込む。当然、騒動が。外で太っちょが丸太にオノを振り下ろすと、丸太はすっ飛んで式場へドスン! ラリーは彼女とトラックで逃走を図る。しかしヤグラにぶつかって、ヤグラが倒れ式場は木っ端微塵。車が崖に引っかかって、2人は崖から転落……。
……教室で居眠りしているラリー。夢を見ていたのか、と、ピンを尻に刺してみて、ホットするラリー。
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■The Sports Man (1920年)[2巻]
アラビア風の宮殿。サルタンやハーレムが登場。アンティーク収集家夫妻(L.Carlisle)が買い付けに来ている。
一方、ハンター(huntsman)のラリー。葉っぱを体につけてウサギを追っている。穴の中に逃げ込んだウサギは、ラリーをからかうように2つの穴から顔を出したり引っ込めたり(このウサギはどうも人形らしい)。相棒の黒人男と一緒に捕まえようとするが、なかなかうまくいかない。ラリー、鉄砲の銃身をグイッとひん曲げて、穴に差し込み、ズドン。
ダチョウが顔を出して岩陰に隠れたのを、同じように銃身を曲げた鉄砲でズドン。しかしそのため、そこにいたサルタン(F.Alexander)の手下どもに追いかけられる羽目に。回転扉を通って宮殿内に。2、3人の追っ手を行きつ戻りつして撒いてしまう。
地下室へ転落したラリーと相棒。やっつけた手下の一人がフラフラになって、羽の生えた天使の幻を見る。絨毯の下をあちこちモグラのように逃げ回るラリー。
そうこうするうちに、ラリーは地下室にいたライオンと出くわしてしまう。目の前に今にも襲いかかろうとしているライオン。相棒はブルブル震えて身動きができない。ラリーはライオンの隙をみてやっとの思いで部屋を抜け出した。
地下室から出てきたライオンが宮殿内を走り回る。それを目撃したサルタン、眉が文楽人形のようにピクピクと上下する。自分の自画像までが驚いて一目散に逃げ去ってしまう。手下は恐怖のあまり、体がスーッと縮んで小さくなってしまった。またしてもライオンに追いつめられたラリー。万事休す!
……ベッドでうなされるラリー。召使いの黒人(夢の中の相棒)に起こされて悪夢から覚めたラリー。ベッドの上に懸けられたライオンの絵をどけるよう彼に命じるのだった。
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■The Sawmill (1921年)[2巻]
森の中にある製材所。ボスの娘がお弁当を持ってくる。そこに太っちょオーナー(F. Alexander)が娘を連れて馬に乗って視察にやって来る。オリバー・ハーディー4扮する現場監督。誇張してくっつけたモシャモシャ眉と口ヒゲがトレードマーク。製材所のオーナーがやって来るのを見て、作業員たちを叱咤する。
Dumb-bell(まぬけ)ラリー、トロッコ上の大きな大きな丸太にまたがって、鼻歌交じりにパイプを吹かしながら登場。ボスの娘と仲良く弁当を食べようとしていると、現場監督が横ヤリ。ケンカになって、丸太トロッコに乗って追っかけごっこ。ラリー、鉄パイプにつかまって宙返り。監督、丸太もろとも崖から転落。丸太は坂を転げ落ちて、ふもとにいたオーナーやボス一行をすごい迫力でなぎ倒す。監督、別の丸太を担いで投げつける。ラリーに命中。ラリー、材木置き場の上から飛び降りる。踏んだ板の上に白ペンキを乗せた手押し車。それがシーソーになって宙を飛ぶ。オーナー、頭からペンキをかぶる。激怒するオーナー。
ラリー、角材に座って一服。角材が動き出して、大きな丸ノコへ。ラリーの背中が丸ノコへ! 危機一髪ですり抜けて振り向くと、ズボンの尻に大穴が……。着替えようと入った小屋に、伐り倒された大木がズデーン! 小屋は木っ端微塵に。無事だったラリーに再び大木の先端がバサーッ! やれやれと思ったその背後に、またもや大木がドスーン!
ラリーと作業員の男との追いかけごっこ。ログハウスの高い屋根へ男を追いつめるラリー。男は眼下の湖へダイビング。ラリーも勢いをつけて男を追ってジャンプ。ところがそのときイカダが接岸。ラリー、イカダの上にドスーン! うつ伏せに「固まって」しまう。なおもボートで逃げる男をラリーもボートで追跡。湖をアメンボのように走り回った2隻の手漕ぎボートは、そのまま岸から上がって、今度は陸の上を走り回る。とうとう崖から下へドスン。
昼食時間。太っちょオーナー、洗面器のような器でスープを飲む。ラリー、ペンキ置き場に上る。バケツに白ペンキを汲んで一服していると、さっきの男が鉄砲でズドン。バケツが落っこちて、下で食べていたオーナーにペンキがバシャッ! 男、トロッコに乗って逃げる途中、衝突して宙を飛ぶ。そのままペンキ桶の中へドボン! タガが外れて、大量のペンキがまたしても下にいたオーナーや現場監督たちの頭にザッブーン!
怒り狂ったオーナーは現場監督以下全員を解雇。ラリーは事務所の窓から顔を出して、マンドリンをつま弾きながら、オーナーの娘に恋心を歌う。声を聞きつけたオーナー、ライフルを持ってやって来る。ラリー、テーブルクロスを頭から被ってゴソゴソ逃げ回る。
一方、解雇された元現場監督と手下たちがオーナーの部屋に舞い戻って来た。金庫の中に隠れたラリーと娘。しかし彼らはその金庫にダイナマイトを仕掛ける。火薬をこぼして金庫まで導火線をつくる元監督。火をつけて全員しゃがんで耳を塞いでいると、娘の飼いイヌがやって来て、ダイナマイトの缶をくわえて火薬をこぼしながら監督の尻のそばへ……。導火線は部屋を一周して、ドーン!
金庫は吹き飛ばされて、はるか彼方の原っぱへ。娘は手下どもに捕らえられて山小屋へ。ラリー、そばの大木にロープを使って木登り。天窓から彼女を吊り上げ、2人とも木の上へ。気づいた手下ども、木の根元を斧でガツンガツン。あわや木が倒れんとしたその刹那、近くのヤグラにロープをかけて、2人は抱き合ったままビューンと空中ブランコ。しかしヤグラの上にいた手下にロープを切られて、2人ともそのまま湖へダイビング。
謀反者たちから娘を守ってくれたラリーを、太っちょオーナーは許してくれた。抱き合おうと走り寄ったオーナーに対して、ラリーの走り寄った先は娘のほうだった。相手を失ったオーナーは湖へザブーン! ラリー、イヌに追いかけられて一目散に逃げていく。
UP
■The Bakery (1921年)[2巻]
ラリーはパン屋の店員。作業場では案の定さまざまな騒動が……。2階から粉袋ごと人が落ちてくる。店内に大きな陳列用回転棚。棚を回転させながら客にパンを見せている店員。そこへラリーもやって来て別の客にパンの説明。右に左に棚の回し合いをしているうちにケンカに。片方がビュンと回せば、もう一方も反対の方向にビューン。頭の上にあった看板がガツン。モシャモシャ眉と口ヒゲの主任(O. Hardy)が怒鳴り散らす。
店の表で椅子に腰かけて編み物をしているオバさん。そばにサルが。サルは毛糸の端をつまんで引っ張り始めた。編み物はどんどんほどけてしまう。店の中に逃げ込んだサル、粉を溶いた樽の中へドボン! 首を出したサルはベトベト真っ白。
チーズの穴からネズミが顔を出す。ネコと追いかけごっこ。ネズミがラリーの服の中に。ラリー、暴れ回る。今度は店にいたオバさんの背中へ。驚いたオバさんをなだめるラリー、チーズを首のところへ置いて誘き出そうという作戦。ネズミが顔を出したところをすかさず粉袋でドスン! オバさん、頭から粉をかぶって激怒。ネコも真っ白。手押し車に積んだ箱がひっくり返って、オバさんの頭の上にガラガラガラ……。
店の外へ飛ばされていった店員が、樽の中へ頭からドスン! 一呼吸置いてタガがパカッと外れる。やって来た店のオーナー(F. Alexander)が2階から溶いた粉の中へバシャーン! ベタベタ真っ白。
どさくさに紛れて店員が金庫の金を狙う(主任もグル)。オーナーがぶん投げた盗っ人がラリーのところへ。手に持っていた大きなケーキがラリーの顔にベッタリ。
目の見えなくなったラリー、主任にだまされてフラフラと店の外へ。そこは路面電車の軌道の上。ラリーの背後、視線方向に電車の姿が……。間近に迫ってきた電車。危ない! ラリー! と、その瞬間、電車は急カーヴして、ラリーの脇を通り抜けた(角度によって、危機的状況に見えるというトリック)。
立てかけたハシゴが塀に倒れる。盗っ人とラリー、塀を支点にしてハシゴのシーソー。向こうからトラックが……。あわや! というところでトラックがシーソーの下を通り抜ける。屋根上の追跡劇の末、ラリー、屋根からジャンプして盗っ人を取り押さえ、TheEnd。
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■The Bell Hop (1921年)[2巻]
ホテルのロビー。行き交う大勢の客を警官が交通整理している。支配人(O. Hardy)は、例のモシャモシャ眉に口ヒゲ。客の小さな女の子が、金魚鉢の中のイモリをつかむ。従業員がそれを取り上げて、ポイッ。イモリは、居眠りしていたベルボーイ・ラリーの白塗り顔の上へピタッ!。顔じゅうを這い回るイモリ。そうとうキモチ悪い。今度は服の中へ。ピョンピョン跳ね回るラリー。
支配人に投げ飛ばされたラリー、女の子の乗った乳母車にドスン! 乳母車はホテルの外へ飛び出して、道路へ。あわてて追いかけるラリー。そこへ路面電車が接近。あわや! というところで、電車は急カーヴ! 怒って迎えに来た従業員、乳母車を押して帰る途中、自分だけマンホールの穴へストン!
ロビーでは相変わらず警官が交通整理。イヌがネコを見つけて追いかけ始め、ロビーは大混乱。
ラリー、2階の女子事務員のために大きな瓶でインクを補給。ビンが倒れて、下のカウンターにいた客のハゲ頭が真っ黒に。怒り狂うハゲ頭。なだめる支配人。ラリーは、2階に上がってきた従業員とケンカに。今度はビンごと落っこちて、階下はまたしても真っ黒。白ペンキを持った作業員がひっくり返って、客は真っ白。
ラリー、支配人にぶっ飛ばされて、ロビーの噴水が破裂。吹き出した水は2階の部屋で寝ていた太っちょの客(女の子の父親、F. Alexander)を直撃。太っちょ、夢の中で海水浴。岩の上からダイビング。寝ぼけてベッドの上からダイビング。床を突き破って階下へドッスーン!
客を装ったペテン師一味、部屋に籠ってよからぬ相談。メイドに化けていた女警官に事情を聞いたラリー、お掃除おばさんに変装して、悪党どもの部屋へ。ところがドアにスカートが挟まって、ズルズル。バレて大騒ぎ。逃げ回って太っちょ夫婦の部屋へ。ベッドの下に隠れたが、女の子に見つかってしまう。今度は大きな椅子の中に。太っちょが座ろうとすると、椅子が移動してドスンと尻餅。妻が座ろうとすると、またドスン。ラリーをつかまえようとした太っちょ、階下へ転落。白ペンキの入った樽の中へドッボーン! タガが派手に外れる。
支配人、悪党に買収されて、金庫の金を一味の部屋に。ラリー、2丁拳銃で部屋に突入。隣の部屋にいた悪党にそっと近づき、ハンマーで一撃。しかし、それは大きな鏡に映った自分の背後にいる相手だった。しかし、首尾よく金を奪い返す。
女警官とラリーは外へ逃げる。ラリーは屋根の上に。女はヒコーキを自ら操縦して飛び立った。支配人と手下がヒコーキで後を追う。ラリーがよじ登った家がダイナマイトで爆破。屋根上のラリー、頭上をかすめて飛んできたヒコーキの縄ばしごをつかまえて、危機一髪で脱出。しかし、それは支配人の乗ったヒコーキだった。せっかく取り戻した金を、また奪われてしまう。
2機のヒコーキの追跡劇(空中撮影)。縄ばしごを切られたラリー、あわや!と思いきや、女警官操縦のヒコーキの上にドスン。ラリー、後部座席から大砲で、相手のヒコーキを狙い撃ち。命中してヒコーキはバラバラになって墜落。
残骸の中に立ち尽くす支配人と手下。つかまされたサイフは偽物だった。ラリー、なおも機上から攻撃。炸裂する砲弾の間を逃げまどう2人。
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■The Show (1922年)[2巻]
劇場の楽屋。ラリーは小道具方。舞台の袖で主演女優(L. Carlisle)が化粧直しをするのに、大きな化粧道具箱を支えてやっている。彼女が化粧を直して舞台に出て行った後、ラリーは口紅をいじっている。おもむろにそれを口に持っていき、ムシャムシャと食べてしまった。味をしめたラリー、今度は大きなパフをパクリ。うまそうに食べていたが、粉が鼻に入ってハックショーン! そばにいた付き人の黒人女の顔が真っ白。
劇場の入口から、とてつもない背丈の大男が入ってくる。マントを着て両手に大きなトランクと箱を持っている。2階席に着くと、マントの下から、夫を肩車していた特大デブの奥さんと、2人の子供が現れる。トランクからはもう1人男が。
舞台では、手品師がシルクハットからウサギを出している。2階席の一家は、箱を開けて食事の用意。手すりに置いたてんこ盛りのバターが、1階の客席のハゲ頭に。時間とともにダラダラと溶け出すバター。やっと気がついたハゲ頭。怒って投げ捨てると、今度は別のハゲ頭へ。巨大なジャムのビンがまたしても最初のハゲ頭に。
舞台の手品師、今度はタマゴを次から次へと取り出す。最後にニワトリを取り出した。さっきから客席で手品を馬鹿にしていた一杯機嫌の男に、ニワトリが怒って口から水をピューッ。男の前の席に着飾った婦人が着席。見るとニワトリの形をした帽子を被っている。それを見た男、すかさずビンで一撃。本物のニワトリは劇場中を逃げ回って大騒ぎ。棚のニトログリセリンを食べたニワトリ、ラリーの尻へ火焔放射器。ネコに追われて、ニワトリは爆発、羽がチリチリに黒こげ。
ラリー、楽屋で手品師に手の中のタマゴを隠す芸を見せている。相手が気がつかないうちに、ラリーは尻のポケットにタマゴを1個ずつ隠している。モシャモシャ眉と口ひげの小道具方のボス(O. Hardy)、後ろからそれを見ていて、ラリーの尻を蹴っ飛ばす。ラリーは気持ち悪そうに足をピコピコ、ピコピコ……。
楽屋でドタバタやっているうちに、巨大な送風機が回りはじめた。そこに黒粉が落っこちてきて、場内は客席まで真っ黒。出演していた男性コーラス4人組、着ているものが風で吹き飛ばされてしまう。
ボスは主演女優の持っているネックレスがお目当てらしい。楽屋に押し入ってネックレスの入ったバッグを奪い取るが、外で大勢ともみ合いになる。そのドサクサにラリーは殴られて気を失ってしまう。
ボスとその仲間は逃走途中に、走ってきた汽車に飛び乗る。ラリーは警官たちとサイドカーで追跡開始。家が1軒、台車に乗せられて踏切を渡ろうとしている。そこへ汽車が疾走してきて激突、家は木っ端微塵に。列車の後ろからロープを引っかけて乗り込もうとした2人の警官。引きずられてレールの上を尻で滑りながらもうもうと煙を上げる。再び、踏切を荷車を引いて渡っているおじいさん。危ない! と目を覆う間もなく、危機一髪で汽車は荷車だけを吹っ飛ばして暴走する。ラリー、鉄橋の上から下を通過する列車の屋根へ飛び降りる。列車の屋根を伝って逃げる一味。汽車がトンネルに入った。あわてて逆方向に走る悪党ども。トンネルに追いつかれて屋根に身を伏せる。ラリーはトンネル直前で屋根が無くなって、ついに落下。
場面は進み、ラリーらの背後から汽車が接近。あっという間に絶体絶命の危機! と思いきや汽車は寸前で急カーヴ! 汽車は車を1台跳ね飛ばしてなおも爆走。オートバイに乗り換えたラリー、走る汽車に決死の乗り移り。ところが汽車はダイナマイトを積んだ貨物車と正面衝突! ドドーンと大爆発、大炎上! ラリーの運命は? そしてこの追跡シーンのフィナーレやいかに?
……楽屋にひっくり返っているラリー。そばに主演女優。向こうには取り押さえられているボス。やっと事情を呑み込んだラリー、気が抜けてまたひっくり返ってしまった。
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■Golf (1922年)[2巻]
娘(L. Carlisle)の顔を映しているひび割れた鏡のアップ。角度によっていろいろ奇妙な顔に変化する。
この家の間借り人(?)(O. Hardy)、娘と結婚したがっているが拒否される。娘の父親が2階の窓辺に置いたロッキングチェアで体を揺すっている(いかにも危ない位置に大きな花瓶が置いてある)。外では、窓の下で一人の男がバンジョーを弾きながら2階にいる娘を口説いている(娘はこちらに気があるらしい)。それがうるさいとハーディー、男を追い払おうとしている。2階ではロッキングチェアの揺れがだんだん大きくなっている。花瓶に触れそうになっているが、父親は気がつかない。ついに花瓶に当たって、花瓶は窓から転落。下にはバンジョー男が……。と、その瞬間、しびれを切らしたハーディー、スコップを持って、バンジョー男に殴りかかろうと窓から身を乗り出した。そこへ上から花瓶がガッシャーン!
2階の隣の部屋では、弟ラリーがゴルフの練習。ノコギリで床に穴を開けて、ピアノの上からスコン。ボールは穴の中へ。喜ぶラリー。階下ではハーディーがスープを飲んでいる。その中にボールがバシャッ! 続けて頭にコツン! またスープにバシャッ! 怒り心頭に発したハーディー、穴をめがけてピストルでバンバンバン! 2階のラリーびっくり。弾が切れて今度はライフルでズドーン! 床に大きな穴が開いて、水の入った桶が落下。ハーディー、頭からザッブーン!
2階へ駆け上がるハーディー。逃げるラリー、勢いをつけて2階の窓からジャンプ! 落ちた先は荷車に積んだ藁の山。続いてハーディーも窓をめがけてジャンプ! 下ではラリーが荷車を押して移動。ハーディー、地面へ激突。
ラリー、黒人キャディーを連れて野外でゴルフ。ボールを置いていざ打とうとすると、男が駆け寄ってきて、自分のボールだと主張。迫力に押されて、ボールを譲るラリー。
ラリーの打ったボールを、ネズミが穴に隠してしまう。なかなか捕まらないネズミに業を煮やしたラリー、ピストルで穴をズドン! 今度はリスが木の洞にボールを隠してしまった。しかし、袋を使ってうまく捕獲。仲間の前で自慢げに袋を開けると、中にはなんとスカンクが。一同のけぞってドデン! スカンクは袋を被ったまま、キャディーのところへ。ゴソゴソ動く不気味な物体が近づいてくるのを見て、帽子が飛び上がってクルクルと回転。逃げようとするが、恐怖のあまり足が地面にくっついて前へ進めない。やっとの思いで、中が空洞になった丸太の中へ。しかし、そこにはクマが。恐怖におののいて飛び出した彼、顔が真っ白になっている。全力疾走するが、体はちっとも前へ進んでいない。最後は、土手をものすごいスピードで逃げていった。
アヒルの産んだタマゴがラリーの足元へコロコロコロ……。ラリー、間違えてタマゴを打って、向こうのハゲおやじの頭へバシャン! オバさんの顔へもベッタリ! 次にボールを打とうとすると、再びさっきの男が。またしても強硬な態度に、ラリー、地団駄を踏んで悔しがる。
そこへハーディーがやって来る。密かにゴルフボールの中に火薬を仕込んでラリーの足元へ。知らずにボールを打とうとするラリー! と、そこへ三たび主張男。有無を言わせず、自分でスイング! ドーン! ……焼け焦げた男、ヨロヨロと歩き出す。
家に戻って、庭でじゅうたん叩き。ラリーとハーディー、向こうとこっちで叩き合い。ラリーが連れてきたロバが後ろ足でドーン! ハーディー、積み上げた箱にすっ飛んで、ガラガラガラ……! ハーディー、やって来たバンジョー男の車を奪って、彼女を乗せて走り去る。ラリーとバンジョー男が走って追いかける。ハーディーの車が、向こうからやって来た汽車と激突。吹っ飛ぶ自動車。なおも暴走する汽車の前面に、ボロボロになって引っかかっているハーディー。
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■The Sleuth (1922年)[2巻]
怪しげな中華料理店。壁にはめ込まれた秘密の回転ドア。凄い人相をした中国人ボスが、秘密の部屋から店の太っちょ支配人(F. Alexander)と電話で良からぬ相談。ショー歌手(L. Carlisle)のネックレスを狙っている。
ボスの自宅前。張り込み中のラリー探偵。聞き耳を立てている大きな耳がピクピクッと動く。外で待っている運転手を始末したラリー、すばやく運転手になり変わり、後ろにボスを乗せて出発。途中、やって来た電車と間一髪でクロス。自動車はスリップして塀に尻からドスン! なんとか動き出したものの、後ろのタイヤは楕円形に。タイヤはカムになって車体は上下にスットン、スットン。ボスもそれに合わせてスットン、スットン。店に到着したラリー、探偵とわかって外へ放り出される。
路上のマンホールから、男が地下の店に荷物を運んでいる(中華料理店は奇妙な構造の地下2階にある。マンホールが秘密の抜け道らしい)。マンホールが怪しいとにらんだラリー、その上でメモをとっていると、気づいた一味が地下からダイナマイトを仕掛けた。ドーン! ラリー、マンホールの蓋と一緒に空中高く吹き飛ばされる。捕らえられて、支配人に襟首をつかまれ、人形みたいにメチャクチャ振り回されて投げ飛ばされる。
ラリー、ネックレス女とテーブルにつく。天井にあるマンホールの穴から、一人の手下がラリー目がけて大きなナイフを落とした。目の前のテーブルにグサリ! 女と話に夢中になっているラリーはそれに気がつかない。何事もなかったようにラリー、ナイフをとってリンゴの皮をむき始めた。テーブルに出された料理に、マンホールのそばにいた作業員の噛みタバコが落下。ラリー、知らずにパクリ。
結局、一味からメチャクチャ殴られてダウン。気を失ったラリーの目の前に、竪琴を持った天使が現れる。
倒れているラリーのそばに2段ベッド。妙な男が上から顔を出して、カプセルの粉を取り出す。倒れたカプセルから粉がこぼれ、下で失神しているラリーの口の中へ。ラリー、目を覚まし、突然元気に。部屋中を飛び回ったり(スローモーション)、片手でテーブルを放り投げて頭で受け止めたり。支配人に殴られても平気。追いかけられたラリー、シャンデリアを伝って、天井の穴(マンホール)から外へ。ビルをよじ登って屋上へ。
ここからは中国人の手下どもと、屋上におけるハラハラドキドキの乱闘。目もくらむ高さのビルからビルへ飛び移ったり、電線を伝って逃げたり、そこから滑り落ちて、危うくハシゴに引っかかったり、そのハシゴがシーソーになったり。ついにラリー、ハシゴの端にナイフで追いつめられて絶体絶命!……
……場面が転換。監督と役者(ラリーの1人2役)が打ち合わせ。監督がナイフの仕草。役者は「もう結構!」とばかり、部屋から出て行ってしまう。監督、やれやれといった表情で、The End。
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■Her Boy Friend (1924年)[2巻]
キャバレーの店内。太っちょ支配人(F. Alexander)は、キラー・キッドと呼ばれる悪党と組んで、密かに危ない商売をしている様子。一人の女探偵(Dorothy Dwan5)が内偵していたが、悪党一味に捕まってしまう。
塀に沿ってうずたかく積み上げられた箱の前で、見張り役の黒人男がキッドに怒鳴られている。ピストルを手渡されたものの持て余している。と、そのとき、背後に積み上げられた箱から、2体のロボット型の箱がくり抜かれたように動き出した。それを見た見張り役、驚いたのなんの。帽子と服がすっ飛んでしまった。かき消すように走り去って、海へドボン! しゃにむに泳ぎ回ったあげく、砂浜に上陸。なおも手足をバタバタさせて、砂浜をすごいスピードで泳ぎ回っている。
ヨタヨタと歩いていた2体のロボットにトラックが衝突、ロボットはバラバラに。中から現れたのはラリー探偵と相棒の探偵。2人は客を装って店の中へ入っていく。
ラリーのほうは、支配人の差し向けた店の女に口説かれる。一方、捕まっていた女探偵は、自分で縄を振りほどいて逃げようとしている。ラリーは、女にタバコの煙を何度も吹きかけられてフラフラに(これらの場面はカットバック)。しかし、ラリーは見つけ出した女探偵と一緒に逃げ出す。2階へ追いつめられた2人。だが、外では相棒の探偵と仲間が、テントを支えて飛び降りるのを待っていた。女探偵がまず飛び降りた。続いてラリー、勢いをつけてジャンプ! ところがそのわずかな間に、下ではキッド一味がやって来て、相棒たちを蹴散らしてしまった。ラリー、何もなくなった地面へドスン!
ラリーと女探偵、箱に入れられてトラックへ。着いた先は船の上。ラリー、一味の前で、照れ隠しにジェスチャーでスケートをする。隙を見て女探偵は鮮やかに縄梯子を伝ってマストの上へ。そしてはるか下の海へ果敢にダイビング! ラリーもマストの上へ。そこからロープを握ってビューンと空中ブランコ。しかし斧でロープを切られて、海中へドボン!
後日、ラリーは女探偵を訪ね、彼女に指輪を贈る。向こうからそれを見ていた一人の紳士。それは相棒の探偵だった。彼女はラリーに彼を紹介。「私の夫なの……」。腕を組んで立ち去る2人。力の抜けたラリー、寄りかかった柵と一緒に池へドボン!
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■Kid Speed (1924年)[2巻]
チョビ髭のハンチング男(O. Hardy)が、ガレージでレーシングカーの整備中。作業員を怒鳴り散らしている。そこへシルクハットの太っちょ父親(F. Alexander)と娘(D. Dwan)が車に乗ってやって来る。じつは二人の男がこの娘を狙っている。一方はハーディー。そしてもう一方がスピード・キッドことラリーその人。自動車レースで決着をつけようという寸法。
片やラリー、めかし込んで鏡を見ている。鏡にひびが入っていて、百面相に。こちらも黒人の助手と一緒に車の整備。カナヅチでガツンとやったはずみに煙が吹き出して、ラリー、目の周りが真っ黒、助手真っ白。
隣の家で寝ていた保安官、うるさいと怒り出す。ラリーが乗って試運転中の車が突然バック。壁を突き破って、隣家のベッドルームへ。保安官、びっくり! ラリー、車を発進させると、ベッドが引っかかってついてくる。寝間着姿の保安官をベッドに乗せたまま、車は街中を疾走。ついにベッドが崖から落っこちて、保安官も池にドボン!
なおもラリーの車は街の人を蹴散らしながら暴走して、ハーディーの整備工場に到着。太っちょ父親、ラリーに走り寄って抱き合おうとするも、ラリーは娘のもとへ。父親、的を失って箱の山へドスン! ガラガラガラ……! おまけに穴の中へ大きな体を突っ込んで逆立ち。助け出された父親に、ラリーは長椅子を用意。しかし尻を乗せた途端、椅子が壊れてドスン!
元ボクサーの不気味な鍛冶屋。カナヅチを振り下ろすと、火花がラリーの帽子を直撃。ラリーがにらむと、男は重い金敷を持ち上げ、ラリーめがけて放り投げた。頭の上を越えて、壁を突き破る。男はグローブを取り出し、一方をラリーへ。困ったラリー。試しに殴らせてもらったものの、男にはまったく応えない。男の放ったパンチが壁を突き破って、外にいたハーディーにドスン! グローブを着けていたラリーを見て、ハーディー怒った。
ラリー、ハシゴを伝って屋根へ逃げる。追いすがるハーディー。ラリー、ハシゴを蹴っ飛ばし、ハーディー、ハシゴもろとも水たまりへバッシャーン! 今度は屋根の上でペンキ塗りをしていた男と格闘に。ラリー、フェイントをかけて、男は屋根から転落。
下の部屋では、ハーディーたちがたらいを囲んで顔洗いの最中。ラリーは屋根上のペンキ樽にロープをかけて下りようとしている。ペンキ樽が転んで、天窓から黒いペンキが男たちのたらいの中へドローリ。男たち、それに気づかず勢いよく洗顔。頭と顔は真っ黒け。ラリー、また追いかけられる羽目に。
――レース当日。ラリーは黒人助手と2人組。ハーディー、手下と悪巧み。10台ばかりのレーシングカーが一斉にスタート。トラックを1周して、レースは場外へ。路上では追いつ追われつの大接戦(カメラの移動撮影)。ラリーの車が山積みの箱にドスン! なおもハンドルを握って疾走するラリーの顔に、……壊れた樽が、……新聞紙が、……藁が、……洗濯物が次々にまとわりつく。助手が崖から落っこちて、坂をコロコロどこまでも転がっていく。車も崖下へ転落。車は勝手に動き出し、ラリー走って追いかける。絶壁の上に架けられた橋が崩れ落ちるが、車は間一髪でジャンプして向こう側へ。ラリー、快調に先頭を走る。
待ち伏せする手下。ダイナマイトで崖を爆破、車ごと生き埋めにしてしまおうという計画。そこに一報が入る。狙いは最初に来る車だ! ところが直前で入れ替わって、トップはハーディーに。ドドーン! ドドドドドドー……!
崩れ落ちた崖を乗り越えてラリー、1着でゴールイン。ラリー、娘に走り寄り、真っ黒顔でキス。娘の口の周りに黒い輪ができて、The End。
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■The Dome Doctor (1925年)[2巻]
隣り合った美容院と食料品店。仲の悪い両店主。美容院の息子ラリーは、食料品店の娘(D. Dwan)に首ったけで、隣の店に入り浸っている。
彼女がタマネギの皮をむくのを手伝うラリー。涙が出て止まらなくなる。ついに耳からも涙がシャーッ?! カウンターに置いたタマネギが1個コロンとひっくり返った。先っぽに少し伸びていたネギが手足になって、タコ坊主のように器用に歩き出す。
油を売っていたラリー、親父さんに連れ戻される。ラリー、客にパーマをかける。その間にも、壁に通した秘密のホースを使って隣の店の彼女とお話し。気がついた両店主。お互いにホースを吹き合って、両方とも顔が真っ黒け。怒った食料品店のオーナー(F. Alexander)、ホースを力任せに引っ張ると、ズルズル、スッポーン! 勢い余って積み上げた箱に頭から突っ込んだ。ガラガラガラ……! 棚から人と一緒に樽が落ちてきて、頭から粉だらけ。
ラリーと彼女、今度は天井下の通風口のような小窓から顔を出して逢い引き。下りるときに、ラリーの足が電圧調整のハンドルに。先ほどの客のパーマに高電圧が。頭から火花と煙。泣き叫ぶ客の頭はイナズマ型に刈り取られていた。
サルを連れていた男から、ラリー、サルを買い取る。サルは小窓から出入りして、両方の店の中を走り回る。大捕物が始まる。サルがハロウィーンのカボチャを被って出現し、黒人びっくり。
食料品店の店主、ハゲ頭(dome)にもかかわらず、気分転換に美容院へ。蒸しタオルを顔に被せてもらって椅子に座っていると、頭の上にカボチャのサルが。ちょうどカボチャが腰かけている恰好に。ラリー、店主のハゲ頭に黒いヘアトニックを。電気を当てるとイナズマが走った。サルが棚からビンを落として、黒いヘアトニックが店主のハゲ頭にベットリ。しばらくして出てきた店主は、恐ろしいボサボサ頭のヒゲモジャ顔に。
いたずらサル、電圧ハンドルをいじると、店中にイナズマが生き物のようにピカピカ、ビリビリ。みんな大騒ぎ。ついにサル、小麦粉を溶いた樽に落ちて、頭からベットリ。
駆け回っていたイナズマが火薬に触れて、大爆発! 地面にあいた穴の中からヨレヨレのラリー。三叉鉾を持ったアクマに追いかけられ逃げまどう。
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■ The Cloudhopper (1925年)[2巻]
チャリティー・バザーの会場。主催者は町の太っちょ名士(F. Alexander)とその娘(D. Dwan)。
ラリー、めかし込んで車でお出かけ。尻の下のシートにタマゴが。見るとヒヨコがかえっている。ラリー、帽子に入れて放してやる。
道路に落っこちていたラッパ型のクラクションが、ラリーのタイヤに引っかかる。タイヤの回転に合わせて、クラクションがプップッーッ! 後ろで誰かが鳴らしていると思って、ラリー、追い越せという合図。何度も繰り返すのでうるさいと振り返ると、車はいない。やっと気がついて、クラクションを投げ捨てる。しばらくすると、またしてもプップッーッ! ラリー、今度は意に介さず知らん顔。あまりうるさいので後ろを見ると、大きなトラックが。怒った運転手、ラリーの車に追突。ラリーの車は飛ばされて壁にドスン! 車はアコーディオンのように蛇腹になってしまった。
通りがかりの車にロープで引っ張ってもらうことに。しかし、前の車が動き出した途端、蛇腹自動車は真っ二つに。道路に寝転がってしまうラリー。そこに救急車が通りかかって、ラリーを収容。しかし寝台がラリーを乗せたまま転がり出て、道路をどこまでも走っていく。そのままチャリティー会場へ。
勢い余って一人の男にドスン! この男、じつは売上金を狙っている悪党。ラリー、男とピストルで決闘する羽目に。1、2、3で振り返って、ズドン! 弾はしかし2人の立会人のほうへ。
ソファに置いたラリーの帽子に、子供が小さな斧を振り下ろそうとしている。あわてて斧を取り上げるラリー。しかし斧はゴム製のおもちゃだった。ホッとしていると、子供はもう一本取り出した。ラリー、今度は微笑んで見ている。帽子は真っ二つに。
子供、パンに挟んであったソーセージを葉巻と取り換える。ラリー、知らずにガブリ……。隣の酔っぱらいのオジさんはソーセージをくわえて火をつけようとしている。なかなか火がつかなくて、足元はマッチの山。
子供、居眠りしている太っちょ父親の顔にサイフォンで水をシャーッ! オヤジさん、夢で海水浴。2階からダイビング……1階の樽の中へドッボーン! ベトベト真っ白に。タガが外れる。
悪党が金を奪って逃走。ラリー、使用人の黒人と車で追走。しかしエンジンがかからない。あれこれしているうちに、車が2つに分裂。半分になった車は、鼻先に使用人を引っかけたまま暴走。周りの景色がグルグルと回転。ラリー、サイドカーで追う。走っている汽車とクロスして何度も衝突しそうになるが、いずれも間一髪で回避。
悪党、ヒコーキに乗り換えて逃走。娘も果敢にヒコーキに飛び乗って発進。サイドカーのラリーに、娘の乗ったヒコーキから縄梯子が。ラリー、飛び移ってヒコーキへ。上空でラリー、悪党のヒコーキの羽根へ乗り移るアクロバット(空中スタント)。
追いつめられた悪党、ヒコーキからジャンプ! 海へドボーン! 続いてラリーもジャンプ! 落下した先はしかし地面だった。ドスン! 自分が無事なことに怪訝な表情のラリー。
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■ Wizard of Oz (1925年)[7巻]
女の子が、おじいさん(演じるはラリー)のもとへ『オズの魔法使い』の本を持ってくる。おじいさん、女の子を膝に抱いて本を読んで聞かせる。
(タイトル挿入)
場面はオズ宮殿。この国の実権を握る首相クルエルに対し、キンド王子は、王女を返せと要求する。人々もクルエルに対し不満を露わにしている。暴動を恐れたクルエルは魔法使いを呼んで、その力を誇示しようとする。すでにクルエルのイエスマンとなっているウィザード(魔法使い)、箱の中から女を出現させる。しかし、孔雀の羽をつけて踊るファントムを目にしても、人々はさほど驚いた様子も見えない。
★
場面変わって、カンサスのとある農場。バラの花を摘んだドロシー(D. Dwan)、それを見せに叔母のアンのところへ。2人が仲良く話していると、叔父の太っちょヘンリー(F. Alexander)がやって来て、バラを投げ捨てる。ドロシーに好意を寄せる使用人(O.Hardy)が飛んできて仲裁するが、ヘンリーにぶっ飛ばされてしまう。使用人の黒人スノーボールは、畑に座り込んでスイカの盗み食い。
★
ラリー、納屋で昼寝からお目覚め。棚の上にうずくまっていたニワトリからタマゴがポトリ。顔にペシャッ! 顔を拭っていると、また上からポトリ。今度はキャッチして、尻のポケットへ。またポトリ。ポケットへ……。それを見ていたヘンリー、ラリーの尻を蹴っ飛ばした。ラリー、気持ち悪そうに足をプルプル、プルプル……。ズボンの裾からヒヨコがポロリ、ポロリ。ラリー、納屋にいたロバに蹴られて、宙を飛ぶ。落ちた先がサボテン畑。座布団のようなサボテンが尻に。イテテテッと引きはがして、塀の向こうへポイッ。それが椅子に座ろうとしていたヘンリーの尻の下へ……。
★
ドロシーの姿を見かけたラリー、後ろから近づいて持っていたロリポップをそっと彼女のポケットへ。しかし、彼女は木の陰でハーディーと語り合っていたのだった。どうしてこんなものが、と怪訝顔の彼女。ハーディー、それを一口なめて、まずそうにポイッ。それをアヒルがくわえて逃げる。取り返そうと追いかけるラリーの顔に、アヒルの口からミルクがシャーッ!
ドロシーとハーディー、楽しそうにブランコ。木陰から悲しそうに見つめるラリー。ドロシーが残していったバラの香りを嗅いでいると、鼻先にハチが。しつこくつきまとうハチ。耳の穴に入り込んだと思ったら、反対の耳の穴から出てきた。襟首から服の中へ。転げ回るラリー。塀の節穴に止まったハチを棒きれで叩いたら、塀の裏には大きなハチの巣。怒ったハチが尻を狙ってワンワンと追いかけてきた。逃げ回るラリー。しゃがんでいたヘンリーを跳び箱にすると、ハチは今度はヘンリーの尻へ。逃げ回るヘンリー、水たまりへバシャンと尻餅。
大きく揺れるドロシーの乗ったブランコ。勢い余ってヒモがプツンと切れてしまった。宙を舞うドロシー。塀を越えて板きれの上に着地。板がシーソーになって、載っていた樽が宙を飛んでいく。ヘンリーの頭へドスン! 樽はバラバラになって、ヘンリー、真っ白。
★
ある日、叔母のアンは、ドロシーに過去の出来事を明かした。……大雨の夜、表のドアをノックする者があった。ヘンリーがドアを開けると、足元にカゴが。中にはかわいい赤ん坊。添えてあったメモには、「この子が18歳になるまでは、この封筒を開封するべからず」と。
アンはすべてを話したとヘンリーに告げる。しかし、ドロシーにも自分がいったい誰なのかわからない。
★
オズ宮殿。キンド王子は、この国には正式な統治者がいないと訴える。次の新月までに王女を連れてくるようクルエルに言い渡した。首相は大使を呼んで耳打ちし、カンサスというところへ行けと命じた。一行はヒコーキに乗って宮殿を後にする。
★
ドロシーの18回目の誕生日。ヘンリー、今日は大事なニュースをと。そのとき、農場にヒコーキが飛んできて着陸。オズから来た大使一行は、大事な封筒を寄越せと要求。ヘンリーは彼らを追い返す。
ハーディー、ドロシーに指輪を渡そうとするが断られる。ドロシーはラリーに、「自分が誰だかわかったら、あなたに最初に話すわ」と。その様子を見ていた大使、ハーディーをそそのかし、封筒を渡せば金と彼女はお前のものだと。危難が迫ったと感じたヘンリー、封筒を入れて隠していた箱を庭から掘り起こし、別の場所へ。大使らが再びやって来て、強引に箱を奪う。しかし中は空っぽ。怒った大使、ドロシーを高いヤグラの上にロープで吊す。しかもロープに火をつけようとしている。そのときハーディーがついに封筒を発見。しかし、すぐさまラリーがそれを横取り。ラリー、高い高い煙突の上に逃げる。ハーディーに追い詰められ、てっぺんからジャンプ! だが、下には荷車に積んだ藁の山。続いてハーディー、ジャンプ! ラリー、荷車を移動。ハーディー、地面へドッスーン!
そのとき、ドロシーを吊したロープが焼け焦げて、ついにプツン! もがきながら落下するドロシー。間一髪、飛んでいったラリーが彼女を抱きとめた。ドッシーン! そこには大きな穴が。
結局ラリーたち、大使にピストルを突きつけられて、万事休す!
★
と、そのとき、一天にわかにかき曇り、空はあっという間に黒雲に覆われてしまった。すさまじい強風が吹き荒れ、イナズマが飛び交いはじめた。イナズマはラリーを狙って、帽子やネクタイを次々に吹き飛ばす。みんなはあわてて小屋へ逃げ込んだ。逃げ遅れたスノーボールは、樽の中へ飛び込む。暴風にあおられて、地上のあらゆるものが吹き飛ばされていく。ついに小屋までも、黒雲の中をマッチ箱のように飛ばされていった。一方、スノーボールは、なおもイナズマに追いかけられ、空中を狂ったように駆け回る。そのまま飛んでいる小屋の中へストン。吹き飛ばされた小屋は最後に高い崖から落下……。
バラバラになった小屋から這い出してきた一同。大使らも呉越同舟。着いたところはオズ宮殿。
ドロシー、そこで初めて封筒を開封。彼女こそオズ国の王女だということが明らかになった。
★
キンド王子、とうとう王女が見つかったと喜ぶ。一方首相クルエルは、この国に不法侵入者がいるといって、逮捕命令を出す。ウィザードに対しては、そいつらを何かに変えてしまえと命令。ラリーらの捕縛に埒のあかないのに業を煮やしたクルエル、ウィザードに怒鳴り散らす。魔力が減退気味のウィザード、彼らを見えなくしたのだと嘘をつく。カカシに変装して後ろで話を聞いていたラリー、ウィザードの尻を突っつく。気がついたウィザード、自分の魔力を見よと、クルエルにアピール。
そこへブリキ人形に変装したハーディーがドタドタと出現。驚いたクルエルと兵隊ら、城へ逃げ込む。しかし、逆に大砲で脅かされて、ついにラリーたち降参。
法廷に引き出された一行。ハーディーは卑怯にも罪をラリーになすりつける。結局、ラリーとスノーボールが地下室に幽閉されることに。一方、ハーディーはナイトの爵位を授かり、ヘンリーは皇太子となる。得意になって威張る2人。
首相クルエルと大使がヒソヒソ話。「あなたにはまだ、王女と結婚する道が残されている」と大使。
★
地下室。スノーボール、ウィザードに勧められてライオンのぬいぐるみを着る。ところが檻の中に本物のライオンが。それを見たスノーボール、ビックリ仰天! あわてて逃げ出す。ぬいぐるみのライオンが走ってくるのを見たラリーと他の囚人たち、クモの子を散らすように逃げる。ラリー、ぬいぐるみだとわかって、何だお前か。
ラリー、ドロシーを探そうと地下室を抜け出す。穴から地上の様子を窺うラリー。ハーディーがドロシーに椅子を差し出している。そこに座ろうとしていたヘンリー、尻餅をついて、そのまま地下へ落下。コールタールの中へドッボーン! ラリー、見つかって再び地下へ逃げ込む。追うハーディー。
ラリー、いくつも置いてある木箱の一つに隠れる。ハーディーが、ここぞと思って棒きれで箱をぶっ叩くと、いない! 隣の箱が動き出した。こっちかと、それをぶっ壊すと、またいない。この箱かと覗いてみると、やはりいない。いないはずの箱がまたスーッと動き出す。そいつをぶっ壊すと、やっぱりいない。わけがわからなくなって、手当たり次第に箱をぶっ叩くハーディー。一斉に箱が動き出して、びっくり!
ラリー、逃げ込んだ先の鉄格子をピシャリと閉めて一安心。追ってきたハーディー、どういうわけかニンマリ。同情するような顔で去っていく。見ると、そこはライオンの檻の中。ワッと飛び上がって逃げ出そうとすると、目の前にもライオンが……と思ったら、ぬいぐるみを着たスノーボール。恐怖におののく2人。うなり声を上げるライオンに、スノーボールが逃げ出した。それを知らないラリー、後ろから近寄ってきた本物のライオンが尻を突っつくのを、スノーボールだと思って、静かにしろと叱る。あまりのしつこさに、うるさい!と蹴っ飛ばす。前を見ると、向こうにぬいぐるみ姿のスノーボール。事態を呑み込んだラリー、しかし至近距離にいるライオンから逃げ出せない。ライオンは唸りながらラリーの尻を引っ掻く。隙を見て走り出したラリー、間一髪でドアをピシャリ! ホッとしたのも束の間、ライオンは上の戸口からやすやすと侵入。それを見たスノーボール、ガタガタと震えだし、逃げようとするが足が地面にくっついて離れない。ライオン、頭上から、ラリーの顔を前足でガリッ。スノーボール、窓から飛び出して、坂をアクロバットのようにコロコロとどこまでも転げていく。ラリー、またもや間一髪でドアをピシャリ!
★
首相のクルエル、ドロシーに言い寄って無理やり抱きしめようとしている。そこへキンド王子。2人はサーベルを抜いて決闘に。そのときカーテンの陰から王子の背中に剣が。サーベルを捨てる王子。危うし王子! と、そのとき、巨大な花瓶がクルエルの頭にガッシャーン! 上にはラリーが。飛び降りて、手下もやっつける。クルエル、ついに観念。赤ん坊を捨てたのは私だ、赦してくれと土下座。
白塗りの顔を拭って素顔に戻るラリー。ドロシーが走り寄ってきてキス。ラリーが抱きしめようとすると、ドロシー、背を向けてキンド王子のもとへ。ベランダに出て、手を取り合う2人。取り残されてうなだれるラリー。
★
そこへ飛び込んできたハーディー。ラリーと格闘。ラリー、高いヤグラの上へ。ヒコーキが発進。下から大砲がヤグラを狙う。ズドーン! 弾はヤグラに命中。危機一髪、ラリーはロープにつかまって隣のヤグラへ空中ブランコ。そこにも大砲がズドーン! と、そのとき向こうから飛んでくるヒコーキから縄梯子が。乗っていたのはスノーボール。またしても危機一髪で縄梯子に飛び移る。大砲はヒコーキに狙いを定めてズドーン! 弾は縄梯子に命中して、とうとうラリー転落!
★
……女の子の枕元に置いてあったカカシの人形がコトンと落っこちる。女の子、人形を抱えて階下のおじいさんのところへ。おじいさんは、もう一度上に行っておやすみ、と女の子に。
女の子が置いて行った『オズの魔法使い』の本をおじいさんが開くと、The End の文字。
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■The Perfect Clown(1925年)[6巻]
ラリー、アパートの部屋でヘッドフォンをつけてダンベル体操中。太っちょの住人(F. Alexander)、庭でハーモニカを吹いている。足の先に布団叩きのようなものをくくりつけて、絨毯叩きの仕事。アパート管理人の息子(O. Hardy)がやって来て、真面目にやれと太っちょを怒鳴りつける。
ラリーの部屋のドアを叩く管理人のオバさん。留守と見て、ドアの下から家賃の請求書を差し込む。それを見てラリー、裏に「不在」と書いて差し戻す。ハーディーがやって来て、ドアをぶち破って部屋に入る。ラリー、窓の外にぶら下がって隠れている。
出かけたラリー、路上でボクシングの真似をしているところに、警官と鉢合わせ。バツが悪くなったラリー、空を指さす。見上げる警官。その隙にラリー、逃げる。警官の周りに通行人が大勢集まってきた。みんな何事かと空を見上げている。困った警官、人混みをかき分けてそっと脱出。
★
オフィスの女子社員(D. Dwan)、ラリーが遅刻してまだ出社していないのを見ると、タイムレコーダーの針を戻して、ラリーの出勤カードをガチャン。そこへラリー、黒人掃除夫のスノーボールを大声で説教しながら出社(じつは、すでに出社して仕事をしていたと見せかけるための演技)。
ラリー、呼ばれて上司のもとへ。この中の金を急いで銀行へ持っていってくれと、バッグを渡される。ラリー、すぐにオフィスを出て銀行へ。しかし、銀行はもう閉まっていた。オフィスへ戻ると彼女が退社するところ。オフィスもすでにロックされて入れない。バッグの中味は1万ドルだと聞かされ、ラリーびっくり。
街へ出たラリー、新聞を見ると、銀行強盗殺人が発生して1万ドルが奪われるという記事。なんだか不安になるラリー。ホテルの前を通りかかると、ベルボーイがラリーのバッグを引き取って、中へ案内しようとする。あわててバッグを奪い返すラリー。失礼しましたとベルボーイ、今度はタクシーのドアを開けてラリーを押し込んでしまった。金のないラリー、電車に乗り換える。バッグが気になって仕方がない。下りたところに救急車。けが人が運び込まれるのを見て、ラリーいよいよ不安に。歩道で荷物を抱えた婦人とぶつかる。荷物を拾おうと無意識に置いたバッグは、駐車中の車のステップの上。気がついて振り返ると、すでに車は走り出していた。あわてて後を追うラリー。追いかけ回した末に、やっとバッグはラリーの手に。
アパートの前では、ハーディーが棒きれを持って待ちかまえていた。戻ってきたラリー、それを見て尻込み、再び街へ。
ラリーから今夜7時半に遊びに行くと言われた彼女。自宅で待っていたが、時間を過ぎてもラリーはやって来ない。ふと新聞を見ると銀行強盗の記事。不安になってラリーのアパートに電話すると、出たのはハーディー。ラリーが1万ドル持っていると口を滑らすと、ハーディーはニヤリ。
★
スノーボールが真夜中のドライブ。運転を誤って木にドスン。すると木の上から何か降ってきた。見るとなんとラリー。事情を打ち明けて、「上司の家に行ってくれ!」とラリー。ところが途中で車がエンスト。困りはてる2人。見回すとそこは墓地。震えながら肩を寄せ合う2人。と、月明かりに照らされた向こうのほうで、死人が腕を上げて起き上がろうとする姿を確かに見た。ギャッ!と言って、2人は垣根の向こうへジャンプ! と、そこにどういうわけか白い牛が寝そべっていた。牛もびっくり。
2人はそばにあった水車小屋に逃げ込む。しかしなんだかいやな雰囲気。新聞を見て、ここが殺人現場ではと顔を見合わせる。ヤギ、黒ネコ、カエル、フクロウなどが出てきて、ビクビクする2人。上からドスンと足元へ落ちてきたのはカマ。青くなって逃げ出そうとするが、ドアが開かない。窓から牛の頭のシルエット。ラリーの帽子がひとりでにピョン……。
そこへ暗闇に紛れて囚人服を着た2人組。小屋の中に入ってきた。物音を聞いて、ラリーとスノーボールは大きな粉貯蔵庫の中へ。ところが2人組もその中へ。しばらくして粉だらけの囚人服が転がり出てきた。それを着ていたのはラリーとスノーボール。
そのときハーディーが警官を2人連れてやって来た。警官は、「見つけたら撃て!」と話している。しかし捜索の甲斐なく何も見つからない。3人は貯蔵庫の上に横になって眠ってしまった。目を覚ますと、すでに朝。あわてて出かける3人。貯蔵庫の蓋を開けて出てきたラリーとスノーボール。囚人服の上に長いコートを着込み、ハンチングを被って変装。車もなんとかエンジンがかかって出発。
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道を走っていると、2人組の警官に呼び止められる。「乗せてくれ!」と。渋々乗せるが、スノーボール、わざとエンジンを切って、故障を装う。警官仕方なく、そばを通った別の車に乗り換える。ラリーたちは再び出発。ところが角を曲がったところに、さっきの車がパンクして停車中。ラリーたち、また警官に呼び止められ、乗せる羽目に。ラリー、今度はクギを落としてわざとタイヤをパンクさせた。全員、車を降りてタイヤを調べていると、通りがかりの車から親切な若者が声をかける。警官はしかし「No Thanks!」と。走り去った若者の車が車庫に着くと、中からラリーとスノーボールが。
街角でハーディーの姿を見かけた2人、あわてて雑誌スタンドに顔を隠す。そばのマンホールから手が出て、ガスバーナーを2人の足元に置いた。その火がロングコートの裾に燃え移る。煙がモウモウと出てきてやっと気がついた2人。びっくりしてコートを脱ぎ捨てた。囚人服姿になって、とうとう追われる身に。数十人もの警官の一群に追いかけられ、材木置き場を逃げ回るラリー。居合わせたウマの横腹にしがみついて脱出。途中からスノーボールもウマの背に飛び乗って、パッカパッカパッカ……。
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やっとのことでオフィスにたどり着いた2人。警官も突入してきた騒動の中で、ラリーはボスにバッグを手渡す。ボスがバッグを開けると、中は空っぽ! 怒るボス、驚くラリー。そこへ彼女がやって来る。ラリーの姿を見て、「パジャマ姿で何をしているの?」。彼女が足元にあったもう一つのバッグを見つけて取り上げると、中には紛れもなく1万ドルが。
急に態度が変わって威張り出すラリー。しかし、そばにいたハーディーが、「お前には部屋代が残っている」と請求書を。それを見た彼女、ハーディーにお金を渡して肩代わり。金さえ貰えば文句はないと、ニンマリとポケットへ。立ち去ろうとする一瞬の隙に、ラリー、ポケットからお金を抜き取って、代わりに請求書をポケットへ。
ラリーと彼女、抱き合ってキス。
UP
■The Stunt Man (1927年)[2巻]
スプラージ夫妻は、娘のパールを銀行家と結婚させたいと考えている。結婚を申し込みに来た男(映画監督)を、「出て行ってくれ」とすげなく断ってしまう。
今度はラリーが花束を持ってパールの家にやって来た。もちろんお目当てはパール。向こうの部屋にいる彼女のそばに歩み寄ろうとすると、そこは大きな鏡でゴツン! パールに花束を渡すラリー。花に顔を埋めるパール。顔を上げると鼻先に小さなカエルがとまっていて、キャッ! 「あなたはいいボーイフレンドよ。でも私が結婚したいのは有名な映画スターなの」とパールが告白。
ラリー、映画会社のオーディションに。撮影中の監督はパールに結婚を申し込んだ男。女優が窓から飛び降りるシーンの代役にラリーが抜擢された。
女優と同じ衣装を着けたラリー。監督はピストルの音を合図に飛び降りろと指示。セットの2階の部屋に待機するラリー。窓の下にはマットを積んだトラック。なかなか監督の指示どおりに位置が決まらない。怒鳴る監督。ついにトラックはバックしすぎて家の中に突っ込んでしまった。監督、怒ってピストルを地面に叩きつけた。パーン! ラリー、勢いをつけて窓からジャンプ!……。
監督、ラリーをクビに。ラリー、セットの中に逃げ込み、白い布を被って隠れる。大きな壷を抱えて通りかかった小道具方の黒人。布が動き出したのを見て、ビックリ仰天! 帽子と壷と靴を残して、一瞬のうちに身体が消滅してしまった。あとには白い煙がポーッ……。しばらく中空にあった帽子と壷が、ガシャーンと床に落っこちた。
シャボンで顔を洗っている監督。ラリーがタオルを引っ張ると、ビンが倒れて中のインクが洗面器の中へトローリ。知らずに監督、ていねいに洗顔。鏡を見てビックリ。
野外の撮影現場。車が坂道を転がり落ちるシーン。ヨーイ、スタート! スピードを増す自動車。中に隠れていたラリー、大あわて。崖から転落するところを危機一髪でUターン。怒り出す撮影スタッフ。ラリーの乗った車のブレーキが外れて暴走。スタッフたちの直中へ。勢い余ってセットの給水塔をなぎ倒す。怒り狂う監督。
ラリー、今度は撮影用のヒコーキの中に隠れる。パールが撮影現場に見学にやって来る。ヒコーキが飛び立つ(じつはラジコン操縦)。前の操縦席に座っているのはダミー人形。そうとは知らずラリー、後ろの席から人形に話しかける。スタッフが地上から大砲を発射。ラリー、ようやく人形だと知る。観念するラリー。大砲が命中! ラリー、人形につかまってパラシュート降下。パラシュートも大砲で撃たれて、家の屋根に落下。その瞬間、家は大爆破。
くすぶるガレキの中からボロボロになって立ち現れたラリー(ここまでずっと代役の女装)。パールの姿を見つけて走り寄るラリー。「結婚してくれ!」。しかしパールは「No!」と言い残して、車で走り去った。
UP
■A Simple Sap (1928年)[2巻]
ラリー最後の作品。同じ店に勤める彼女を迎えに来たラリー。木の上にキツツキ。飛んできてラリーの頭を突っつく。捕まえようとすると、口から水をシャーッ! 家の前には恋敵。かっこいい自動車で彼女を誘っている。一方のラリー、なんとヒコーキを用意。もちろん彼女はヒコーキへ。ゆっくりと動き出したヒコーキ。しかし、飛び立つ気配はない。その前でロバが引いていた。
ヒコーキは坂道を転がりはじめて、尻から土手にドスン! 胴体が蛇腹になって、寸詰まりヒコーキに。ラリー、恋敵の自動車のバンパーにそっとイカリを引っかけた。寸詰まりヒコーキは、コックン、コックンと引っ張られて行く。
ラリーは食料雑貨店の店員。店の表には「売り物」の看板が。店主は今日の12時までに店を売らなければならないらしい。
カウンターに置いてあったタマゴの一つが、突然コロリと動いた。すると殻を突き破って縞模様をした尻尾のようなものがニョキニョキと出てきた。次は2本の手、と思ったら、タマゴはコロンとひっくり返って、器用に2足歩行を始めた。おまけにスイスイとスケートをする仕草。ところが置いてあったハエ取り紙に足がくっついてしまった。なんとか自分で足の周りの紙をちぎって、再び歩きはじめた。が、どうも歩きにくい。痙攣したように足をプルプル震わせながら歩いている。ラリー、隙を見て上から帽子を被せた。中を手探りしていると、イタタタッ! 指を噛まれた。殻を破って中から出てきたのは小さなワニ。
店主は、店にやって来た若い実業家(あの恋敵)に店を売り込もうとするが、うまくいかない。それではということで、男の父親に店を見てもらうことに。ところがすでに店内では騒動が始まっている。飛んできたジャムをくらって、怒って帰ってしまう。それではということで、今度は祖父がやって来た。しかし祖父もさっそく、溶いた小麦粉に尻餅。倒れたストーブの煙突が頭にゴツン! それが扇風機にあおられて、顔は真っ黒け。
そこへ店を見に来た別の紳士が現れ、ドタバタに輪をかける。粉袋が飛ぶ。パイが顔に命中する。客と店員がジャムと粉袋の投げ合い。全員がハチャメチャの大騒ぎをして、店の中は真っ白。
ラリーは彼女とカウンターの陰に身を伏せて隠れる。少し鎮まった気配に、「戦争は終わったかな?」とラリー。カウンター越しに恐る恐る顔を出してみる。そこへパイが飛んできて、ベチャッ! ラリー、真っ白になった顔を振り振り、The End。
n o t e s
1★Frank Alexander
愛嬌のある巨漢で、ラリー作品に欠くことのできないキャラクター。ラリーによって彼の上にはさまざまな危難が訪れるが、そのたびに怒り狂うその姿は忘れられない。
2★スタン・ローレル(Stan Laurel)
スタン・ローレルはこの後、ラリーの作品に数多く出演しているオリバー・ハーディー(Oliver Hardy)と組んで、いわゆる「極楽コンビ」として人気を博した。
3★Lucille Carlisle
ラリー映画のマドンナ的存在として、かなりの数の作品に共演している彼女はラリー・シーモン夫人。R. E. Braff のフィルモグラフィでは1919年から名前が見える。Well, I'll Be にLucille Zintheo なる名前があるが、おそらくこれは彼女のこと。ラリーはのちに彼女と離婚し、Dorothy Dwan と再婚。
4★オリバー・ハーディー(Oliver Hardy)
ラリー作品に数多く出演している喜劇役者。のちにスタン・ローレルと組んで彼らの黄金時代を築く。この頃はまだそれほど太っておらず(F. アレキサンダーと一緒のときはスマートに見える)、乱暴者でラリーを追いかけ回す役が多い。
5★Dorothy Dwan
ラリー映画後半のマドンナ。G. A. Katchmer によれば、彼女がラリーと結婚したのは1925年1月22日で、そのとき彼女はわずか18歳であったという。Braff のリストでは1925年のWizard of Oz から名前が見えるが、1924年のこの作品からすでに共演している。