1月 ★「少年読本」(付録「イットに就ての対話」)<グロテスク>[→「新=犬つれづれ」3-252]
1月 ★「KINEORAMA」<近代生活>[1-339]
1月 ★(アンケート:一九三〇年度に実行したきこと)<詩神>[13-458]
1月 ★(アンケート:超現実主義批判)<アトリエ>[13-458]
2月 ★「岡田君のような作風は」<猟奇戦>[12-216]
☆この「岡田君」は、『星の都』には「猟奇戦」同人の岡田徳次郎とあるが、戦後、芥川賞候補になったという岡田徳次郎(1906-1980)のことか?
2月 ★「自動車の宙返りその他」<詩神>[12-218]
☆日比谷公園でフランス人のフランセスコ氏の自動車宙返りを見たというもの。未詳。
☆「やけくそ三つ」(昭和3年5月、『全集12』p.183)には、アプコック氏の自転車宙返りが。
2月 ★「黄いろい冊子」<文学>[12-214]
☆『星の都』では、「6月」。
☆上田敏雄、北園克衛らが始めた雑誌『LE SURREALISME INTERNATIONAL』(仏蘭西書院、1930年)について。
2月
★また私へ届いた花岡菊子の賀状を、私の知らぬまに抜き取って、カミソリと消ゴムで宛名を消して、自分の名に入れかえて、あっちこっち持ち廻っているらしかった。菊子さんへは、私は『黒百合の花』を観て感心して、こちらから年始状を出したのであった。(「滝野川南谷端」『大全6』p.604)
★この話は「中野アパート」での出来事であるが、女優・花岡菊子の映画『黒百合の花』は、昭和5年2月封切り。
3月 ★「蘇迷廬」<新青年>[1-347]
3月 ★「奇妙な区画についての奇妙な話」<文学>[→「奇妙な区廊に就いて」1-80]
3月 ★「物質の将来」<詩と詩論>[1-91]
初夏
★初夏の一日、かの女は滝ノ川のおくに、ひょっくり私をたずねてきた。社用で上京したついでの、わずかな暇を利用したとのことだったから、半時間ばかし部屋で話して、大塚まで送って出た。(「松風」『全集12』p.312)
☆「かの女」とは「松風」で「I」あるいは「Kちゃん」のイニシアルで登場する須磨住まいの女性。
☆この一節の次に、「あくる年のお正月、相つぐ祖父と祖母の喪のことがあって、私は淡路島を正面にひかえた海峡の町へ帰った」とあるので、この話はこの年のことになる。すると、この「滝ノ川のおく」とは、池内舞踏場を指すのか中野アパートを指すのか?
6月 ★「羽根なしの歌へる」<FANTASIA>[1-405]
6月 ★「何故私は奴さんたちを好むか」<文芸レビュー>[1-482]
6月 ★「芭蕉葉の夢」<国民新聞、6月8日>[13-43]
7月 ★「出発」<新青年>[2-211]
☆「応接間で待つあいだに水谷準が読んで、「いいでしょう。なにかニューパブリックなようなものが感じられて面白い」と云って直ぐに稿料をくれた。初山滋の挿絵が大へん気に叶った」(「「新青年」発表作品への回顧」『全集12』p.425)
☆「これが新青年に発表された時、初山滋の非常にすぐれたカットが付いていた。それは顔の半面に血をしたたらせた紳士が、両眼を見開いて愕いている所だった。三島由紀夫はどこかあのカットの紳士の顔に似ていた」(「三島ぼし隕つ」『全集11』p.303)
7月 ★「懐しの鳴尾時代」<スピード、7月9日号>[6-373]
8月 ★「ブレリオ式の胴」<新科学的文芸>[→「飛行機の哲理」2-204]
8月 ★「アインスタインの空間とベルグソンの時間に就て」<文芸レビュー>[1-486]
☆『星の都』では、「6月」となっているが間違い。
★一度、銀座うらの小さなカフェーで、文芸レビューの同人が、ヨーロッパから帰ってきた仲間の話を聴く会を催したことがある。僕も出席したが……これも、暑い日ざかりの青書生の、「一にも文学、二にも文学」に退屈を覚えたまでのことだ。(「わが庵は都のたつみ」『大全5』p.71)
☆伊藤整らとの会合。「文芸レビュー」に書いていた昭和4、5年頃のことだと思われるが、「以後、この種の集りは一切ごめん蒙ることにした」とあるので、この年の夏頃のことではあるまいか。
8月 ★(段塚青一著『銭苔の華』序に代えて)《日本詩学協会》[13-423]
☆文末の日付には「一九二九年十一月」とある。
9月 ★「P博士の貝殻状宇宙に就いて」<科学画報>[→「似而非物語」2-217]
★貝殻状空間の着想がやはり、壁をへだててダンス曲のジャズを聴いていた時であった。(「タルホ=コスモロジー」『タルホ=コスモロジー』p.87)
☆この「貝殻状空間」とは、『近代物理学とパル教授の錯覚』ではなく『P博士の貝殻状宇宙に就いて』を指すと思われる。とすると、この時期はまだ池内舞踏場にいたことになる。
★巣鴨郊外の舞踏教習所の一室に起居していた折で、晩飯は大抵十二時過ぎであった。夏の夜、お隣りの音楽とステップの音が止まるには未だ四時間もあり、所在なさに手枕をして寝転んでいる時に、頭の片隅に浮んだ。その数時間はいつになく高揚状態に置かれたことを憶えている……(「私の宇宙文学」『大全1』p.168)
★「リーマン空間」について私への最初の質問者は、昭和の初め頃に慶応医学生だった私の甥である。何か参考書はないかと云うのだ。先方は、私がその頃、『改造』に載せた『近代物理学とパル教授の錯覚』及び『科学画報』に発表した『P教授の貝殻状宇宙』を読んだのであろう。(「ロバチェフスキー空間を旋りて」『ヒコーキ野郎たち』p.109)
☆『P博士の貝殻状宇宙に就いて』(多留保集6、p.78)には、「先日物故したコナンドイル氏がありますが、れいのオリバー・ロッジ卿も……」とあり、この頃いわゆる「霊学」方面の本を読んでいたふしがある。
☆ドイルは1930年7月7日没。
★T・Y氏と私とは或る偶然な機会から知り合いました。それから今日まで約十年になろうとしています……(「似而非物語」『大全1』p.116)
☆T・Y氏とは山ノ内恒身。この一文は初出の「P博士の貝殻状宇宙に就いて」(昭和5年)以来、「似而非物語」(昭和12年)を経ても書き改められていない。初出の昭和5年を起点にすると、10年前とは大正9年、すなわち上京前となるが。
9月 ★「神戸のVARA」<漫談(漫談社)>[13-46]
9月 ★(アンケート:一九三〇年上半期に於ける傑作に就いて)<作品>[13-458]
9月17日
★僕は九月十七日の夕方、何しろ生れてはじめてみたお化なのだからその日をおぼえている。(「スフィンクスと青い火玉」(『星の都』p.57)
☆人魂を見たこと。
☆この作品は昭和5年12月(「文学時代」)発表なので、この年の出来事か。
10月 ★「フリッツ・ハールマン事件に就ての感想」<文芸レビュー>[1-489]
11月 ★「映画のつまらなさ」<作品>[12-221]
12月 ★「スフインクスと青い火玉」<文学時代>[12-226]
12月 ★(アンケート:印象に残った人と仕事―昭和五年に於いて、最も意義ある仕事をした人と、その作品に就て)<新潮>[13-459]
12月 ★(アンケート:今年発表した一ばん好きな自作について)<作品>[13-459]