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第2章 A感覚の抽象化
p.131 小林秀雄
p.132 丸山明宏
p.140 南方熊楠翁
(出典なし)
清閑寺の襖絵の十二天や二十八部衆が坊様たちのオナニー的対象であったことを、南方熊楠翁が指摘していた。
※(◎送信サービスで閲覧可能)乾元社版『全集9』/p.181, 4〜5行目
p.146 賎のおだまき
「如何なる故と云ふこと知らず、いとど心に憧れて、口にはそれと云はねども、此事のみぞ明暮に、只一向に思はれて、幼心の一筋に詮方なくぞ見えにける」(賎のおだまき)
○688/賎のおたまき(既出、p.17)
◎市村丁四郎, 明18.8/p.21、2〜4行目
p.147 男色大鑑巻四
「今年十八の角前髪、いまだ美童ただなかなるに其身は早念者に替り」(男色大鑑巻四)
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 男色大鑑 巻4/p.644, 1行目
p.148 室生犀星
(出典なし)
「私がそこに学ぶことが出来たのは、女への哀慕の情というものがこのように寄り集って、草木山河、日常茶飯事を歌うものであるということであった」室生犀星が、北原白秋の詩集『思ひ出』について洩らしている。
※出典未詳。
p.149 室生犀星
『稚児と妹』『お小姓児太郎』『美小童』等の作者は、自らの北国の城下町における暗い青春期をかえりみて、鬱憤をぶちまけている。
〇785/稚児と妹 国粋 第一巻第二号 大正九年十一月 国粋出版社発行
室生犀星。
◎稚児と妹/犀星短篇集 (春陽堂文庫、昭和13)/稚児と妹
〇797/お小姓児太郎ほか二篇 中央公論 第参拾六年第拾参号 大正十年十二月 中央公論社発行
室生犀星。
お小姓児太郎/青空文庫(参考)
〇886/美小童 近代風景 大正十五年十三(ママ)月 アルス発行
室生犀星。
◎美小童/(送信サービスで閲覧可能)室生犀星全集 巻3(非凡閣, 昭12)/p.112
p.150 南方熊楠
(出典なし)
南方熊楠翁の述懐に、彼が二十八歳の時、さる高名な坊様の前で、「自分は一切女性と交わったことがない」と洩らしたところ、「其言は到底信じられない」とあったので、そんなことが一目で分らないようなことで、この人は今日まで何事を修行してきたのだろうと疑ったと。
※出典未詳。
p.151 Y・K君
p.153 羽村京子
p.160 一物理学者の回想(湯川博士)
p.160 葉隠
あらゆる男性の裡には、スパルタ乃至『葉隠』への先天的憧憬が隠れている。
p.172 方丈記
(書名のみ)
『方丈記』『徒然草』『ライクロフトの手記』『紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見』、此種の文献は心理的Aオナニーの所産であると私は考えるのにためらわないが、
p.172 徒然草
(書名のみ)
〇39/徒然草(既出、p.110)
p.177 稚児之草子
『稚児之草子』には、Aオナニー的な少年側の思いやりの数例が出ている。
〇32/〔醍醐男色絵〕(既出、p.14)
p.178 葉隠
『葉隠』の中にこんな挿話がある。
◎葉隠 : 鍋島論語(中村郁一 編、葉隠記念出版会、大正5)/p.149, 7行目〜
p.179 野坂昭如
p.185 男色山路の露(享保年間刊)中巻
『男色山路の露』(享保年間刊)は、雪月花の三冊に分れた絵草紙であるが、この中巻に、次のような笑話が載っている。大阪北浜のさる分限者が、きょうだいの男の子に、京から先生を招いて狂言を習わせていた。(以下略)
〇422/男色山路の露 三冊 享保十五年頃
南海山人(西川祐信)序。恐らく衆道絵草紙の唯一のものたるべし。雪の巻、茶による恋。般による恋。顕はるゝ恋。謡による恋。あやうき恋。道による恋。碁による恋。契り久しき恋。おもふ恋。月による恋。月の巻、こがるゝ恋。見る恋。ふかき恋。あはれなる恋。鞠による恋。皷による恋。おかしき恋。まことなる恋。あからさまの恋。市による恋。花の巻、幻の恋。はづみたる恋。山吹による恋。刀による恋。雪による恋。くるしき恋。忘られぬ恋。むたいなる恋。偏なる恋。夢中の恋。(「埒外衆道物の一本」尾崎久弥(江戸文学研究三巻第三冊昭和七年一月発行)に詳細なる紹介あり。)
※「ヒップ・ナイドに就いて」にすでに引用されているが、〈デジタルコレクション〉に文献見当たらず。
※尾崎久弥の「埒外衆道物の一本」にその梗概(p.12, 5〜6行目)あり。
p.191 西鶴
(出典なし)
西鶴は、「脇塞げば雨ふり、角入れば風立ち、元服すれば落花よりもつれなし」と云う。
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 「男色大鑑」 巻一の四「玉章は鱸に通はす」/p.569, 11〜12行目
p.192 最明寺殿百首
「敷島の道を知らぬは児若衆執心してもむやくなりけり」(最明寺殿百首)
〇427/西明寺殿百首/細川殿百首 写一冊 享保十九年
奥書に「享保十九甲年寅正月廿一日宗業七十二歳書之」とあり。前者は八十二首の和歌を、後者は九十五首の和歌を載す。西明寺殿百首また宗祇小鏡ともいへる由(好色本目録)。若衆物語と合綴せられたると同じ和歌にて歌数また同じ。
◎(送信サービスで閲覧可能)中世近世道歌集 (古典文庫 ; 第180冊)(池田広司 編ならびに解説 古典文庫, 1962)/p.93〜
※タルホの記述は「最明寺殿百首」だが、『書志』は「西明寺殿百首」。
※上掲書『中世近世道歌集』収録の「西明寺殿百首」には、タルホの引用した歌は見当たらず。「享保十九年」のものではない。
p.192 西鶴(大鑑巻二)
「入聟して宵から寝て次第に痩せると、主の子と念比して昼ばかり顔見ると」そんな文句が西鶴(大鑑巻二)にある。
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 「男色大鑑」巻一の一「色は二つの物あらそひ」/p.560, 14〜15行目
※「大鑑巻二」は誤り、正しくは「巻一」。
p.192 若衆短歌
「十四五六になる人は、春の花とも身を思へ、秋の月にもなぞらへて、心にかけぬ人をさへねたくも恨みはつべけれ」(若衆短歌)
〇140/宗祇法師長うた(既出、p.24)
◎江戸時代文芸資料 第四 (国書刊行会刊行書)「いぬつれづれ」巻末「若衆短歌」/p.19, 下段7〜10行目
p.196 世阿弥
(出典なし)
「児姿者幽玄之本風也」(最初ノ児姿ノ幽玄ハ、老体女体単体ノ原型デアル・世阿弥)
◎世阿弥十六部集評釈 上巻(能勢朝次 著、岩波書店、昭和15-19)/p.487, 2〜3行目
※出典は、世阿弥の『二曲三体絵図』。
※上掲書『世阿弥十六部集評釈 上巻』のp.484〜p.485を見ると、タルホの言う「老体女体単体」は、「老体女体軍体」の誤記のよう。
p.197 高橋睦郎
p.198 古今若衆序
「古への道をも若衆の作法をもしれる人、わづかにひとりふたり」(古今若衆序)
〇101/古今若衆序(既出、p.28)
◎三十輻 第4 (国書刊行会本、大田南畝 編、大正6)/p.481, 上段14〜16行目
※「明和にもなると、「林の柿の葉のごとく多かれど、しりのみさせて其道知らぬなるべし」になってしまった。」の出典未詳。明和というと『略縁起出家形気』か?
p.199 Y・K君
p.199 高橋鐡
p.199 醒睡笑
「人はただ十二三より十五六盛り過ぐれば花に山風」(醒睡笑)
〇117/醒睡笑(既出、p.28)
◎滑稽本集(国民文庫刊行会 編、1912.10)/p.700, 11行目
p.200 細川幽斎戯文・古今若衆序
「力をも入ずして天地を動し、目に見えぬ鬼神をも起請に書いれ、男をんなのりんきも及ばず、たけき心のもののふの心をもなぐさむるはしり也」(細川幽斎戯文・古今若衆序)
○101/古今若衆序(既出p.28)
◎三十輻 第4 (国書刊行会本、大田南畝 編、大正6)/p.479, 上段6〜9行目
※上掲『三十輻 第4』の当該箇所、「らをも入ずして」は、あたまに「ちか」の脱字か。
p.201 三島由紀夫
p.205 西鶴
(出典なし)
「念友の無き前髪、縁夫もたぬ女にひとし」と西鶴は書いているが、
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編)(尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894)「男色大鑑」巻一の四/p.575, 3行目
※上記『西鶴全集 上巻』の「念友の長き前髪」は、「念友のなき前髪」の間違い。まさにこの点をタルホは、『多留保判 男色大鑑』の「序にかえて」で指摘している。
p.205 安井息軒
(出典なし)
安井息軒は、その弟子の雲井龍雄に衆道を勧めている。
〇700/東北偉人雲井龍雄全集 一冊 明治二十七年八月(一八九四) 東陽堂版
麻績斐。桜井美成纂定。附録雲井龍雄伝(纂定者著)。雲井龍雄其師安井息軒より血気を防遏する一策として衆道を勧めらるゝ記事あり。(漆山氏)
◎雲井竜雄全集 : 東北偉人(麻績斐, 桜井美成 編、東陽堂、明27.8)/p.5, 1〜3行目
※タルホの一文は、『書志』の解題をリライトしたものだろう。
※『書志』の記述は、上記『雲井竜雄全集』付録に、該当箇所あり。
p.207 葉隠、一八二
「星野了哲は、御国衆道の元祖なり。弟子多しといへども、みな一つ宛伝へたり。枝吉氏は理を得られ候、江戸御供の時、了哲暇乞に、『若衆好きの得心いかが』と申され候へば枝吉、答に、『すいてすかぬ者』と申され候。了哲悦び、『その方をそれだけになさんとて、骨を折りたり』と申され候。後年枝吉にその心を問ふ人あり。枝吉申され候は『命を捨つるが衆道の至極なり。さなければ恥になるなり。然れば主に奉る命なし。それ故好きで、すかぬものと覚え候』由」(葉隠、一八二)
◎葉隠 : 鍋島論語(中村郁一 編、葉隠記念出版会、大正5)第一巻/p.69, 15行目〜p.70, 4行目
p.207 田岡嶺雲・数奇伝
「恐らく此は通有な封建時代の余風であつたらうが、殺伐な士風の我が土佐では異性間の恋は殊に賤められてゐた。予等の頭には小い時から厳重な男女間の制裁が印銘されて、女子は汚らはしい者、女子との交際は男子を懦弱にする者、女子に媚ぶるは男子の恥辱であるといふ様な思想が深く浸み込んでゐた。村の若い衆などは夜遊びと称へて、娘のある家へ話に出掛ける様な風があつたが、此んな仲間入りをするには、予には士族の子といふ自負が余りに強かつた」(田岡嶺雲・数奇伝)
◎数奇伝(玄黄社、明45.5)/p.124, 1〜7行目
※当該箇所は、(九)「初恋」の(1)「女は汚はしき者」の中の一節。
p.210 五人女 巻五「情はあちらとこちらの違ひ」
『五人女』巻五、「情はあちらとこちらの違ひ」の章に出てくる練木之法にしても、そうだ。
〇213/好色五人女 五冊 貞享三年 大坂、森田庄太郎板
井原西鶴。享保五年「当世女容気」(大坂、抱玉軒田原平兵衛板)と改題。巻四、恋草からけし八百屋物語(一、大節季はおもひの闇。二、虫出しの神鳴もふんどしかきたる君さま。三、雪の夜の情宿。四、世に見をさめの桜。五、様子あつての俄坊主)巻五。恋の山源五兵衛物語(一、連吹の笛竹息の哀や。二、もろきは命の鳥さし。三、衆道は両の手に散花。四、情はあちらこちらの違ひ。五、金銀も持あまつて迷惑)〔帝国文庫。有朋堂文庫。浮世草紙。珍書保存会本(当世女容気)。近代文学。古典全集。名著全集。愛鶴書院本。岩波文庫。定本西鶴全集。古典文庫複製本〕
〔附〕「好色五人女輪講」(三田村鳶魚編、昭和五年十一月、龍生堂書店)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 好色五人女巻之五/p.479, 10行目
※上記『西鶴全集 上巻』では、当該箇所が○○○と伏字になっている。
◎訳註西鶴全集 第2(藤村作 校訂、至文堂、昭和22-23)/p.256, 8行目
p.216 画家の大森啓助
p.216 西鶴
(出典なし)
西鶴が書いている。「鴨長明は日野山の住いで、朝夕に門べで遊ぶ里わらべの声を聞いて、さぞかし誦経のリズムを邪魔されたことだろう」と。
〇194/好色一代男(既出、p.19)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編)(尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894)好色一代男巻之一/p.10, 1〜2行目
※「好色一代男」巻之一に出てくる「袖ゆく水のしかも又同じ泪にもあらず、鴨の長明が孔子臭き身の鳥置も、門前の童にいつとなく戯れて、方丈の油火消されて、心は闇になれる事もありしとなむ」が、タルホの言わんとしている箇所か。
p.218 大鑑巻二
「郡山の家中に、田村三之丞といへる情少人、折ふし此水上に来て唾を吐けば、川下の水手に結び、雫も洩らさず咽喉を鳴すを見て云々」(大鑑巻二)
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 男色大鑑巻之二/p.594, 2〜3行目
※「田村三之丞」は、上記『西鶴全集 上巻』では「多村三之丞」。
p.219 西鶴/『本朝若風俗』序文
「万の虫迄も若契の形をあらはすが故に日本を蜻蛉国ともいへり」と西鶴は『本朝若風俗』の序文に書き入れているが、
〇223/男色大鑑(既出、p.21)
◎男色大鑑 : 本朝若風俗 第1卷(尾崎徳太郎 訂正、古書保存會、1891)/p.1, 4〜5行目
p.220 鈴木草二
p.222 T・K君
p.222 Y・K君
p.223 亀山巌
p.229 浅見淵
p.232 中村星湖/『少年行』
(書名のみ)
〇717/少年行 早稲田文学 第十八号 明治四十年(一九〇七)五月五日 金尾文淵堂発行
中村星湖。〔現代代表作叢書(植竹書院)。代表的名作選集(新潮社)〕
◎(送信サービスで閲覧可能)少年行(中村星湖 著 植竹書院, 大正4)/扉
p.232 宮澤賢治/『風の又三郎』
p.232 鞍馬天狗
(書名のみ)
〇44/鞍馬天狗
宮増。謡曲〔国民文庫。謡曲叢書。有朋堂文庫。文学大系。名著全集。〕
◎観世流改訂謡本百二十番集 第5巻(丸岡桂 訂正、観世流改訂本刊行会、大正15)/鞍馬天狗
p.232 隅田川
(書名のみ)
◎観世流謡曲本 13 隅田川(観世元滋 訂、桧大瓜堂、大正6)/隅田川
p.232 天鼓
(書名のみ)
◎観世流改訂謡本百二十番集 第2巻(丸岡桂 訂正、観世流改訂本刊行会、大正15)/天鼓
p.232 谷行
(書名のみ)
〇46/谷行
謡曲〔国民文庫。謡曲叢書。有朋堂文庫。文学大系。名著全集。〕
◎観世流謡本 (16)(観世清廉 訂、桧常之助、明43-44)/谷行
p.235 雑誌『日本少年』
p.237 村山槐多/血の小姓
血の小姓
虐殺せられし貴人の
美しい小姓よ
汝の主の赤に金に赤に金に
ぎらぎらとだらだらと滴たる血に
じっと見入る小姓よ
夜が来たぞ
人もないこの無慈悲な夕
誰かが泣き出した
狂した血の小姓よ汝も
泣け、血に愛せられて。 (村山槐多)
〇777/村山槐多(既出、p.43)
◎槐多の歌へる(山崎省三 編、アルス、大正9)/p.34〜35
p.238 古今集第十一恋一
「ときはの山の岩つつじ」(古今集第十一恋一)吉田大蔵清春が庭木を打っての誓いは、辛い立場に相違ないが、もしも一夜、先方と連吹きの笛を吹くまでに漕ぎ付けたならばどうなるか?
◎古今集 (袖珍文庫 ; 第16編、三教書院 編、明43.10)/p.106, 1行目
p.238 竹斎二巻(寛永年間刊)
『竹斎』二巻(寛永年間刊)は、烏丸光弘というお公家さんの書いたもので、第一巻は、上方における衆道物の皮切りだと云われているが、(以下略)
〇132/竹斎 二巻 元和寛永間刊
烏丸光弘作か。〔滑稽全集。花街叢書。近代文学。岩波文庫。〕
※〈デジタルコレクション〉の『竹斎』には、タルホが言うような内容の記述は見当たらず。
p.239 弁の草紙
『弁の草紙』では小人側が念人に先立たれ、病の床に臥して十五歳を一期にあえなくなってしまう。
○100/弁の草紙(既出、p.26)
◎室町時代小説集(平出鏗二郎 編校訂、精華書院、1908)/p.157〜
p.239 松帆浦物語
『松帆浦物語』の藤ノ侍従もやはり同様なことから自害しようとして、差し止められて泣く泣く高野山に登ってしまう。
○86/松帆浦物語(既出、p.37)
◎日本文学大系 : 校註 第19巻(国民図書、大正14-15)/p.657〜
p.239 毛吹草
「花の後は生男なれや稚児桜」(毛吹草)
◎(送信サービスで閲覧可能)毛吹草 (岩波文庫 ; 3304-3308)(松江重頼 著[他] 岩波書店, 昭和18)/p.231
※上掲『毛吹草』では、「生男」は「木男」。
p.240 押小路公忠・後愚昧記
「大和猿楽ノ児童、去ル頃ヨリ大樹之ヲ寵愛シ、席ヲ同ウシ器ヲ伝フ。此ノ如キ散楽ハ乞食ノ行フ所ナリ。而シテ賞翫近仕ノ条、世以テ傾寄ノ由、財産ヲ出賜シテ物ヲ此ノ児ニ与フルノ人、大樹ノ所存ニ叶フ。依ツテ大名等、競ツテ之ニ賞賜ス。費巨万ニ及ブト云々。比興ノ事ナリ。云々」(押小路公忠・後愚昧記)
◎(送信サービスで閲覧可能)国史大系 第35巻 新訂増補(黒板勝美 編 国史大系刊行会, 昭和7)/p.107, 上段18〜22行目
p.240 隅田川
(書名のみ)
◎観世流謡曲本 13 隅田川(観世元滋 訂、桧大瓜堂、大正6)/隅田川
p.240 天鼓
(書名のみ)
◎観世流改訂謡本百二十番集 第2巻(丸岡桂 訂正、観世流改訂本刊行会、大正15)/天鼓
p.242 よだれかけ・巻五
「十一より四迄をつぼめる花になぞらへ、十五より八を盛りの花と極め、十九より二十二迄を散る花となん定まりし。(以下略)
〇161/よだれかけ(既出、p.34)
◎江戸時代文芸資料 第4(図書刊行会、大正5)/p.52, 下段14行目〜p.53,下段11行目
p.242 醒睡笑
「人はみな十二三より十五六、盛り過ぐれば花に山風」(醒睡笑)
〇117/醒睡笑(既出、p.28)
◎滑稽本集(国民文庫刊行会 編、1912.10)/p.700, 11行目
※「人はみな」は、『滑稽本集』では「人はたゞ」。
※「少年読本」(1930年)に、この文句への言及あり。
p.243 葉隠
しかし同時代の絶望の書『葉隠』の口述者山本常朝では、「それは恋の心入れに喩えられることであり、無理無体に奉公が好きならば是非もない」と云う。
◎葉隠 : 鍋島論語(中村郁一 編、葉隠記念出版会、大正5)
※タルホの引用と類似する箇所は、第1巻p.74, 6〜7行目の部分か。
p.245 秋夜長物語
『秋夜長物語』では、只一回の語らいが三井寺叡山間の戦争を捲き起し、小人は瀬田唐橋から入水、念人はその遺骨を抱いて回国に出発した。
○43/秋の夜の長物語(既出、p.16)
◎日本文学大系:校註第19巻 国民図書、大正14-15/p.643〜
p.245 賎のおだまき
『賎のおだまき』の脇差をさした、眼のつり上った愛人は、十三歳のお正月の角入れに始まり、翌々年の夏には既に念友を追うての討死であった。
○688/賎のおたまき(既出、p.17)
◎市村丁四郎, 明18.8/p.1〜
p.246 あしびき絵巻
昨春だったか、重要文化財指定を受けた『あしびき絵巻』は、叡山の侍従の君の玄怡という人が、奈良の民部卿得業の若君を山に呼ぼうとして既に先方の父の承諾は得たのに、継母の反対に会って、それから双方はあらゆる苦難を経たがついに意を通すことが出来なくて、互いに別れて住む身になったという話である。
〇93/あしびき 五巻
平出鏗二郎校訂「室町時代小説集」所収本は巻二と巻五に脱文あり。重要美術に指定せられし絵巻五巻を完本とす。あしびきの山即ち叡山の侍従君玄怡と奈良の民部卿得業の若君とのはかなき恋物語。玄怡は若君を叡山に上せんとて父の承諾を得たるに、継母の故障によつて本意を遂げられず。二人はあらゆる苦難を経たれど遂に意を通す能はずして互ひに分かれ住む身となりしといふ。〔室町時代小説集。新編室町時代小説集。続絵巻物集成。〕
◎室町時代小説集(平出鏗二郎 編校訂、精華書院、1908)/p.163〜
※タルホの記述は、『書志』の解題をリライトしたもの。
p.246 二水記
『二水記』という左少将鷲尾隆康の宮廷私記、永正十四年(1517)の正月から同十五年六月迄の記述に、宮千代丸という猿楽美少年のことが頻りに出てくる。
〇87/二水記 文亀四年起筆(一五〇四)
鷲尾隆康。永正十四年四月十五日、十八日、十九日、廿四日、廿五日、廿六日、廿九日。五月五日──八日、十二日、十六日、十八日、廿三日、廿五日。六月六日、十三日──十五日。七月六日、八日、十日──十二日。同十五年二月廿八日、廿九日。三月一日、十六日、十九日、廿一日。四月十日、十二日、十七日、十九日、廿五日。五月二日、九日、廿日。六月九日、廿四日、廿八日。七月六日、九日。〔神宮文庫蔵本〕
◎大日本史料 第9編之7(東京大学史料編纂所 編、昭和19)/p.8, 8行目,p.9, 1行目,p.373, 12行目,p.506, 11行目,p.508, 9行目,同12行目,p.611, 15行目,p.612, 10行目
p.249 西鶴『五人女・第五話』
西鶴が『五人女・第五話』において「衆道は諸手に散る花」とやったついでに、杉の木立、岩、丸木橋を背景にして、ふたりの少年幽霊を源五兵衛入道の周りにまつわらせている技法に、感心せずにはおられない。
〇213/好色五人女(既出、p.210)
◎西鶴全集 上巻 (帝国文庫 ; 第23,24編、尾崎紅葉, 渡部乙羽 校訂、博文館、1894) 好色五人女 巻5/p.475, 8行目,p.477, 4〜6行目
※『五人女・第五話』とあるのは、『五人女・第五巻』の間違い。「衆道は諸手に散る花」は、その「第三話」。
p.249 経政
あら恥しやわが姿、はや人々に見えけるぞや。あの燈火を消し給へとよ、とばかり双ヶ丘の松風と共に燈を吹き消して暗闇に消えてしまう、梨打烏帽子白鉢巻の経政とてもその通りである。
◎観世流改訂謡本百二十番集 第9巻(丸岡桂 訂正、観世流改訂本刊行会、大正15)経政/7丁, 3行目
p.257 澁澤龍彦
p.266 『ヰタ・セクスアリス』(森鴎外)
『ヰタ・セクスアリス』(森鴎外)には、寄宿舎の一室で盲汁をやり、唐物屋から買ってきたジンの酔が廻ってきた頃おい、(以下略)
〇724/ヰタ・セクスアリス スバル 第一年第七号明治四十二年七月 昴発行所発行
森鴎外。十三歳の章。〔鴎外全集。明治大正文学全集。岩波文庫他〕
◎(送信サービスで閲覧可能)雁,ヰタ・セクスアリス (角川文庫 ; 第593)(森鴎外 著 角川書店, 1953)/p.155
p.270 龍之介『好色』
龍之介の『好色』の主人公は、黄色の力を借りて、のれんに腕押しであった意中の人を断念しようとした。
◎芥川竜之介全集 第5巻 (小説 第5)(岩波書店、1955)/好色
p.277 東海道中膝栗毛
『東海道中膝栗毛』の両主人公も、その初めは市井的念若の間柄だった。
◎有朋堂文庫 第54 東海道中膝栗毛全 再版(塚本哲三 等編、明治44)/東海道中膝栗毛
■『少年愛の美学』における『男色文献書志』の役割
■附録/『少年愛の美学』における引用文献一覧
第1章 幼少年的ヒップナイド
第3章 高野六十那智八十
も く じ
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